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歌詞和訳 Duran Duran – Rio コード

1980s

1982年発表の第2作アルバム Rio の表題曲にして、英9位、翌83年に米14位となるヒットシングル。

Rio

(Duran Duran)

synth arpeggio in CM7
Em C/E Am7 C
Em C/E Am7/C# C

Em C/E
Moving on the floor now babe
Am7 C
You’re a bird of paradise
Em C/E
Cherry ice cream smile
Am7/C# C
I suppose it’s very nice
With a step to your left and a flick to the right
You catch the mirror way out west
You know you’re something special
and you look like you’re the best
フロアの上を躍動する君
楽園の鳥の艶やかさ
チェリーアイスの微笑みが
すごくいいじゃない
左へステップそして右に切り返して
遥か西へ視線を向ける
君は特別
そして最高

(chorus)
E B
Her name is Rio and she
D A
dances on the sand
Just like that river twisting
through a dusty land
And when she shines she really
shows you all she can
Oh Rio Rio dance
across the Rio Grande
名はリオ
砂上に舞う彼女は
さながら不毛の地を
蛇行する川
輝きながら
あらん限りの魅力を振りまく
おおリオ、リオ
大河を股にかけて舞えよ

I’ve seen you on the beach
I’ve seen you on TV
Two of a billion stars
It means so much to me
Like a birthday or a pretty view
But now I’m sure that
you know it’s just for you
君を浜辺で
そしてテレビでも見かけた
十億もの星の中の2つ
俺にとっちゃ記念日や絶景みたいに
その事には大きな意味があるんだ
でももう分かった
それは正に君の為のものだったんだぜ

→(chorus)
(interlude)
C#m A F# A x4
C#m F# A C#m x4

Hey now hoo, look at that
Did he nearly run you down?
At the end of the drive, the lawmen arrive,
You make me feel alive, alive, alive
I’ll take my chance
‘cause luck is on my side or something
I know what you’re thinking
I tell you something
I know what you’re thinking
おい、あれを見ろよ
危うくひかれるトコだったね
ドライブの最後にお巡りがご到着
生きてる心地を与えてくれる君
賭けてみるよ
追い風が吹いてるっぽいからね
君の考えはお見通し
教えてやろうか
お見通しなんだから

Her name is Rio, she don’t
need to understand
And I might find her if I’m
looking like I can
Oh Rio Rio hear them
shout across the land
From mountains in the north down
to the Rio Grande
名はリオ
彼女に分別など無用
自信がみなぎってりゃ
俺も彼女のお目にかかれるかもね
おおリオ、リオ
北の山脈から
南のリオグランデに至る
大地を巡る叫びを聞くがいい

シンセの arpeggiator(言うなれば分散和音発生器)のランダムモードで発音させたCM7のアルペジオを鳴らしっ放しにしている所にベースラインを乗せてコード進行が決まり、それに準じたギターコードを当てた。更には16分のドラムが加わり、最後に歌メロと詞を乗せて本作は完成した。
ってのは作曲過程についての私の勝手な想像なので悪しからず。
でも歌メロありきで肉付けする様に編曲してったとはやっぱちょっと思えない。
だから曲先ならぬシンセアルペジオ先の歌だと私は(勝手に)思ってます。

バンドリーダーでもある Nick Rhodes がこのアルペジオを鳴らしている。
キーボード奏者にして姓が Rhodes ってのはよく出来てんなあと思ってたけど、本名は Nicholas James Bates らしく、masturbate に準えて Master Bates と呼ばれるのを嫌ってステージネームを付けたんだそうな。
何ちゅうしょーもない話。と言ってもこれが本当なら、本人にとっちゃ相当迷惑で深刻だったんだろう。てか周りがしょーもなかったんだなあ。
ま、何にせよこうして同名のエレクトリックピアノに因んで Rhodes に改名。
ただ彼が主に使う機材は Roland(どないやねん)。
本作においても然り。ランダムモードを使った旨は本人が認めており、すると先述の私の憶測が正しければ、本作の作曲クレジットにはローランド社を載せるべきだと言うのも過言ではない。いや、過言か。効果的に曲に適用したのが彼である事は間違い無いのだから。


追記

で、2021年、功績を称えられ、(Fender社ではなく)Roland社より受賞


それにしてもここにベースを乗せた John Taylor はただの男前じゃないぞなもし。
ってのは過言ではない。だってブイブイ言わせちゃってるこのノリが無きゃシンセアルペジオのシークエンスも無味に虚しく響くだけだったろうから。

詞に移ります。
スペイン語の río もポルトガル語の rio も川の意。
英語だと river で、同じ ri で始まるのは同源の名残かと思いきや、調べてみると前二者はラテン語の rivus(流れ、川)が元で、後者はラテン語は同じだが ripa(岸、海岸)を語源に持つ仏語の rivière(川)が元だった。

(the) Rio Grande (大きな川、の意)は、米国とメキシコの国境の一部をなし、メキシコ湾に注ぐ川。メキシコ名は Río Bravo (素晴らしい川)。

You catch the mirror
んー、これはわけ分からん。ただ、これまたラテン語の語源に遡ると mirror の元は miro(look at の意)なので、catch a glimpse (ちらっと見る)と同じに考えて対訳した(miro は「見ろ」みたいで偶然とは言え面白い)。

way out west 遥か遠く西で
NYを拠点としていたサックス奏者ソニーロリンズが57年に初めて西海岸で制作し発表したアルバムの表題と同じで、しかもその幕を開ける曲がコミックソングのカバー I’m an Old Cowhand (From the Rio Grande)なので、何かしらの関連を持たせていたり、更にはこの名盤へのオマージュだったりするのかも知れない。

bird of paradise = 極楽鳥
run down = ひく、はねる
lawman = 法執行者、警察官

Rio という名の女や川を登場させながらその実、大西洋を挟んで way out west 英国の遥か西にあるアメリカ(大陸)へのバンドの野望を歌っている。つまり Rio とは叶えたい夢の象徴、或は雄大な目標なのだろう。
果たしてその夢は実現し、同じ英国出身の Culture Club と双璧を成して80年代の米国の音楽シーンを席巻し、所謂 Second British Invasion を達成する(第1次は60年代のビートルズが筆頭)。

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