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歌詞和訳 Sting – We Work The Black Seam コード

1980s

85年発表のソロデビューアルバム The Dream of the Blue Turtles 所収。

We Work The Black Seam

(Sting)

Am-G-Am

Am-G-Am
This place has changed for good
Your economic theory said it would
It’s hard for us to understand
We can’t give up our jobs the way we should
Our blood has stained the coal
We tunneled deep inside the nation’s soul
We matter more than pounds and pence
Your economic theory makes no sense
この地も変わり果ててしまった
経済理論が示した通りだが
我々には受け止め難く
当然の事と職を諦めるわけにはいかない
血が石炭に染み付くほど
我々は国の心の中にまで深く掘り進んだ
命は金より重く
あなたの経済理論は全く意味を成さぬ

(chorus)
F C
One day in a nuclear age
G Am
They may understand our rage
They build machines that they can’t control
And bury the waste in a great big hole
Power was to become cheap and clean
Grimy faces were never seen
Deadly for twelve thousand years is carbon fourteen
いつか核の時代にでもなれば
この怒りも理解されようか
御し切れぬ機械を作っては
巨大な穴にゴミを埋める
発電は低コストかつクリーンになる筈で
すすけた顔も見られなくなった
一万二千年の間も致命的なのが炭素14

Am-G-Am
We work the black seam together
We work the black seam together
我々は皆で石炭を掘っている
黒い継ぎ目を縫い合わせる

The seam lies underground
Three million years of pressure packed it down
We walk through ancient forest lands
And light a thousand cities with our hands
Your dark satanic mills
Have made redundant all our mining skills
You can’t exchange a six inch band
For all the poisoned streams in Cumberland
地下に広がる石炭層は
三百万年の圧力の賜物
太古の森の中を歩いては
この手で千の街にライトを灯す
暗い悪魔の如き発電所は
採掘の技を無用のものにした
6インチの石炭層をカンバーランドの
汚染された川に替える事など許されない

→(chorus)

We work the black seam together
We work the black seam together
我々は皆で石炭を掘っている
黒い継ぎ目を縫い合わせる

And should the children weep
The turning world will sing their souls to sleep
When you have sunk without a trace
The universe will suck me into place
そして子供達が泣いても
この地球が子守唄を歌ってくれる
あなたが見る影も無く失脚してしまっても
この世界が僕をきっちり助けてくれる

→(chorus)

We work the black seam together
We work the black seam together…
我々は皆で石炭を掘っている
黒い継ぎ目を縫い合わせる…

80年代英国サッチャー政権下の炭坑ストに纏わる歌(らしい)。
すると you とは彼女への呼び掛けかも知れない。
Your economic theory makes no sense

black seam ← coal seam = 石炭層

詞中にそのまま登場する表題
We work the black seam together = 我々は皆で石炭層を掘る

ただネット上には本作に関連して「黒い傷あと」という言葉が散見。これ、邦題?
黒い継ぎ目を縫い合わせる、という比喩的の意味(否、寧ろ文字通りか)が与えられていそうではあるが、何か曖昧。具体的に何を言っているのかはよく分からない(ストの結束の事?)。
対訳には併記した。

carbon fourteen = 炭素14
これは炭素の放射性同位体だが、その放射能は軽微で、本作に歌われる様に人体に対し致命的(deadly)では全くない。半減期は5730年。その倍の12000年(twelve thousand years)が何を意味するのかも謎。作詞者スティングの色んな勘違いが重なった結果なのだろう。
こんな事で文系人間スティング(仮説)を腐すつもりは無いが、ただやはり虚偽の風評を生み兼ねぬ言説は歌の詞であっても頂けない。
ついでに言えば地質時代における石炭紀は約3億年前なので、300万年(three million years)というのも彼の勘違いかも。
その昔、確か栗本慎一郎がスティングを批判していたが、この辺の事でだったかなあ?(超うろ覚え)

ただ一方、坑道を太古の森に喩えている所などは地球の悠久の歴史を感じさせるし、御し切れぬ機械とは実に予言的な表現ではあった。

あ、邦題には英吉利炭坑節ってのはどうでしょう。


追記

同じ歌の和訳を別のブログで見た。
12000年が謎という私の疑問に答えてくれているのか、わざわざ稿末に「半減期が5730年だからその倍の12000年で無くなる」と注釈を示していた… はあ… どうやら「全減期」があるらしい。
でもお陰で、スティングも同じ「引き算」をしてしまったのだろうと合点がいった。
フェイクニュースは至る所に。post-truth の時代ってか。
半分の半分が1/4でなく0になるという彼らの理論通りに風評も「半減」して「全減」してくれりゃいいんだけどなあ…

コメント

  1. 橋口 澄恵 より:

    始めまして。
    炭鉱町に住む橋口澄恵と申します。
    かれこれ30年以上、スティングと成長しています。

    かって英国一の石炭積み出し港だったニューカッスル港(スティングの出身地)
    かって日本一の石炭積み出し港だった若松港(私の住む地域)
    2つの地域は閉山後、同じ運命を辿り・・。

    『吾輩は子猫である・総集編/友情と物語で解く複雑系の科学』著者です。
    Amazonで『複雑系の科学』もしくは『子猫物語』、『友情物語』と入力いただくと、
    かれこれ2年以上トップ画面に配置していただけています。
    Amazonレヴュー(ドラゴンファイト)だけでもご一読いただけたら幸いです。

    歌詞の解釈に感激しました。
    ありがとうございました。

    2019・12・11

    • deni より:

      橋口澄恵さん 初めまして

      ご案内のページ拝見しました。シンクロニシティを感じました。
      ありがとうございました。