David Bowie with The Lower Third 名義で1966年に発表。
Bowie に改名後の初シングル。
Can’t Help Thinking About Me
(David Bowie)
D A E D A E
D A
A C
I brought dishonour
F
My head’s bowed in shame
Dm E
It seems that I’ve blackened the family name
C D
僕が不名誉をもたらした事になった
恥辱に僕はうなだれる
家の名を汚しちゃったみたい
the neighbours talking
I’ve gotta pack my bags,
leave this home, start walking, yeah
耐えられないって言うし
荷物まとめなきゃ
家を出て歩き出そう、そうさ
G C
I wish that I was sorry this time
A C
I wish that I could pay for my crime
今度ばっかりは反省して
罪を償えればいいんだけど
D A E
I can’t help thinking about me
D A C
I can’t help thinking about me F
考えてしまうのは自分の事
どうしても思うのは自分の事
to go to church on sundays
I lay awake at night,
terrified of school on mondays
日曜になると教会に通ってた時の事
夜眠れずに起きてた
月曜の学校が嫌だったから
I wish I was a child again
I wish I felt secure again
また子供になれたらなあ
心配事も無く
E
I remember my friends,
D A E
always been found and I can’t
いつもそこには友達がいたのを
思い出す、でも
in the never never land
The station seems so cold,
the ticket’s in my hand
ネバーランドに置いとこう
寒そうな駅
手には切符
“Hi Dave,
Drop in, see you around, come back
If you’re this way again”
「ねえデイブ、たまには顔を見せてね
じゃあまた、帰って来てね
今と変わらないなら」
I’ve got a long way to go
I hope I make it on my own
先はまだ長い
一人でもうまくやってやるさ
question-time = 質疑応答時間
家族会議か何かだろうか。
主人公 I がいかに家の名を汚したかの描写は無いので、行間と言うか行前を読むとすれば、彼は名誉を重んじる保守的な家庭の出なのだろう。
恥辱にうなだれた彼は家を後にし、駅に向かう。
サビは表題まんまを連呼しているのでこれが主題なのは間違い無い。
本作は、下掲のコンサートのビデオ(1:23辺り)に本人の曰く
a beautiful piece of solipsism 独我論を歌った佳作
つまり、社会性よりも自身の個性や主観を重んじ、それを表現すべく音楽の世界に身を投じる若きボウイ本人の決意を描いた歌なのだろう。
すると家族隣人は彼のそんな進路を以って不名誉としたと見なせる。
すると、ちょっと前のライン、
I’m guilty 我有罪!
この絶叫は憂さ晴らしか当て付けか。
後年の作品にも聞ける特徴的なこの高音の発声。
ボウイの歌唱法はこの時点で既にある程度完成していたと言えそう。
思い出など全てをネバーランドにうっちゃり、切符を手に駅へ。
片道切符(one way ticket)とは明言していないが、そうじゃなきゃ恰好が付かない。
歌の文句に出て来る切符は訣別を暗示する片道ならんこそあらまほしかるべけれ。
The station seems so cold
彼の進路の関門たる駅が寒く感じられるのは、行く末に容易ならざる世界が待っているからなのだろう。
I’ve got a long way to go 先はまだ長い
当時のボウイは半世紀以上も歌い続けるなんて思って… いたに違い無い。
本作に込めた覚悟が本物だったのが今となって証明されている事になる。
同じく下のビデオの中で本人が語っている通り、本作がソロアーティストとして初めて発表した歌だという事実も強い意味を持ってくる。
VH1 Storytellers 1999
1:33
Hi Dave に始まる my girl による語りの部分をこれまで書いた詞の中で最悪のラインだと自虐交じりに半笑いで告白している。
若気の至りを聴衆の面前でこんな風に臆面も無く回顧してみせるのがボウイのオモロい所。あ、いや臆面はあるか。
客の反応も上々。中二病の回想がウケるのは日本だけではなさそう。
このコンサート自体は音楽チャンネルの Storytellers(物語る人)という名の企画だからその性格上当然だろうが、2000年前後は他の多くの公演においてもボウイは曲間に結構色々と喋っている(さだまさし程じゃないにしても)。
時にシリアスに、そして時にニヤニヤしながら。
今じゃツアーは引退、インタビューなどの発言すら殆ど聞けなくなっちゃったけど。
因に Storytellers のシリーズ初回を演じたのはボウイとも縁の深いキンクスのレイデイビズだが、そも彼の当時(96年)のツアー名を企画名に流用したとの由。
んー、それにしても変なコード進行…
(それこそ The Kinks? それとも The Who?)
でもやっぱ良いコード進行だから30年後の自曲にも一部流用
https://denihilo.com/david-bowie/little-wonder
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