1990年発表のシングル Sliver のB面曲。後に92年のコンピアルバム Incesticide に開始曲として収録。
ドラムはチャドチャニング。
Dive
(Kurt Cobain, Krist Novoselic)
F#5 F#5/E F#5 F#5/E F#5 F#5/E E
F#7#9 E
Pick me, pick me, yeah
Let a long low signal
At ease at least, yeah
Everyone is hollow
Pick me, pick me, yeah
Everyone is waiting
Pick me, pick me, yeah
You can even pay them
長い低信号だって受け容れて
少なくとも気楽で
誰もが空っぽ
拾ってくれよ
誰もが待ってる
選んでくれよ
金を払ってでも
B5 C#5 D5/G E
F#5 F#5/E F#5 F#5/E F#5 F#5/E E
Hey!
Dive! Dive! Dive!
Dive in me!
Dive! Dive! Dive!
Dive in me!
Dive in me!
Dive in me!
Dive in me!
飛び込んできてくれよ
Kiss this, kiss that, yeah
Let a long low signal
At ease at least, yeah
You could be my hero
Pick me, pick me, yeah
Everyone is waiting
Hit me, hit me, yeah
I’m real good at hating
長い低信号も受け容れて
少なくとも楽に
君は俺のヒーローにだってなれる
拾ってくれよ
誰もが待ってる
けなしてくれ
嫌う事だけは得意な俺を
Hey!
Dive! Dive! Dive!
Dive in me!
Dive! Dive! Dive!
Dive in me!
Dive in me!
Dive in me!
Dive in me!
飛び込んできてほしいんだよ
(interlude over F#5/A# F#5/G# F#5/A# F#5/G# F#5/A# F#5/G# E)
Dive! Dive! Dive!
Dive in me!
Dive! Dive! Dive!
Dive in me!
Dive! Dive! Dive!
Dive in me! (x7)
Let a low long signal
自分だけが気付ける様なシグナルを発して欲しいという事だろうか。
Everyone is hollow
ホロウボディ(hollow body)のギター、などと言って、ホロウは半分位は日本語になってる?
I’m real good at hating 嫌う事が本当に上手い
この手の表現を作者カートコベインはよくやる。一見ただの露悪だが、深い思考を聴き手に喚起する。
ってそれこそただの深読みだろって言われりゃそれまでだけど。
real = really
日本語(口語)の「すごい」なんかも近年、形容詞の形のまま副詞の代用語としてすごい使われる。
筆者はアホなので文章語としてもすごいをすごい使います。
サビ頭の Hey! は You Know You’re Right と同じ様に pain とも聞こえる。
因に At ease at least, yeah の所は Alice, Alicia って女の子の名を呼んでんだとばかり…
コンピアルバムの表題はコベインの造語。
Incesticide = incest(近親相姦) + cide(殺し)
insecticide(虫殺し = 殺虫剤)になぞらえてあり、またそのアナグラムでもある。
そんな奇異にして不穏な名を冠したアルバムの幕開けに相応しい不気味なベースライン、迫り寄るギターのフィードバック、耳障りなハウリング。
でもきっとこれらの音は計算高く組み合わせた上で録音しているのだろう、偶然のノイズを装って。
更にはサビの第2小節第1拍には不協和音が仕込んである。D5/Gの所。
筆者はアホなので今の今迄、不協和音 = 不協 + 和音 だと思っとりました。本当は 不協和 + 音 なのね。ま、どっちゃでもえーけど。
ベースとギターの倍音やらホワイトノイズが干渉して変な音になっているのだろうか。
だってDに対するGは4度で、例えば高いGを足したDsus4だったら突飛な音どころかきれいな和音にしか聞こえないし。
とまあこんな風に思っちゃうんですが、音響工学やら音楽理論にお詳しい方、何とかアホにも分かる様に説明して下せえ。
ひょっとしてこのベース音が long low signal (長い波長の低い音声信号)の正体?
って low が表すのは信号の弱い様子だから違うだろうけど。
追記
26:00
ノボセリチ本人がパワーコードと明言。1弦Gと2弦Dを同時に弾いてるって事か。ベースは単音というこっちの思い込み… あ、違うか、ギターのルート音と合わせてパワーコード(5度コード)を構成するという意味で言ってんのか。
で、Smells Like Teen Spirit でも同じ事やってると。どこだ?そんなくぐもった音あったっけ?
1:05:18
fifth in the bass there
これか。こっちは5度のみの単音だがさして耳に引っかからなかったし、やっぱ本作みたいな変な干渉が起きている様には聞こえない。
27:03
南無妙法蓮華経を唱える仏教の集会の帰りにコベインの家に行って本作を書いたので何か影響があるかも、との由。そう言われりゃ読経のリズムにも聞こえる。あ、ひょっとして long low signal って…
その集会自体は自分にしっくり来なかったと言うが、題目はちゃんと覚えてんだなあ。発音もいいし、完全に脳に刷り込まれとる。ティナターナーやハービーハンコックも入信する創価学会SGI?
31:52
本作は彼のベースリフから作られたっぽい。実際、作曲クレジットも連名。
素敵なカバー
弾き語りなのにF#のベース音のビブラートをちゃんと表現しててすごい、こんな細指で。
件のD5/Gの所はDでなくGメジャーを弾いていて、原曲の不協和音の感じをたった一人の歌とアコギで再現し得ている。これがDだと響きが当たり前すぎてつまらない。
彼女は英語話者だが、その歌唱に耳を傾けると多く流布する間違った歌詞を参照していると分かる。
例えば Let a long low signal → Live alone, lone single
あ、よく聴いたら sing girl か?
まあ本家だって hey と pain だけでなく例えば dive in me も doubt in me みたいに聞こえる所もあったり。彼女は dive with me って歌ってるかも。
つまりはコベインの言う様に Music comes first. Lyrics are secondary. 曲が第一で詞は二の次。
作者が言う位だから精確な歌詞なんてまあどーでもいいんです。意味もどーでもいいんです。こんなサイトもどーでもいいんです。
あ… 自殺行為だった事に筆者はアホなので今気付きました。
suicide = sui(自分) + cide(殺し)
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