1989年発表のデビューアルバム Bleach 所収。
Negative Creep
(Kurt Cobain)
And it’s grown
もういい大人だし
Drone
怠け者
And I’m stoned
おまけにイッちゃってる
And I’m…
俺は…
And it’s crude
品も無い
Like drone
働きもしねえ
And I’m stoned
イッちゃってるし
And I’m…
俺って…
Drone!
Stoned!
役立たず
ラリラリ
衝動的なリフで幕開け。
腹の底から吐き出す絶叫も、無理に搾り出したものではなく、同源の衝動の必然的結果。終始弛緩の兆しなぞ感じさせない。予定調和の対極。
でも、逆説的だが、そこに心地良さは厳然と在る(気がする)。
と思いきや、やはり作者カートコベインの自虐的告白による牽制が止む事は決して無い。
本作が Seattle’s true grunge sound (本物のグランジ)と喧伝される所以か。
creep の原義は、這う。(車のクリープ現象はこれ)
そこから派生的に、忍び寄る、ぞっとする(人、物)、を意味するに至った。
しかもコベインは自身がただ不気味なだけでなく、negative だと言う。これは開き直りなどではなく、社会通念に照らせばそう見えるだろうという皮肉。そしてその皮肉を以って聴き手やファンをすら終始牽制する。
drone はハチなどのブーンと唸る音が元になった擬音語。そこから雄バチを指す様になり、怠け者、のらくら者、を意味するに至った(働きバチは雌)。
Mephedrone という薬物との関連を指摘する向きもあるが、これが蔓延したのは2000年代以降。だからきっと後付け。
でもすぐ後に stoned なんてのが出て来るから、結果的には強ち外れてもいない。
(この stoned 自体は、必ずしも薬物をキメた状態を表すわけではないが)
Daddy’s little girl ain’t a girl no more
彼がフェミニストだった事から解釈を施す向きもある。
girl とあるが、作者コベイン(男)の事を言っている様でもある。
世代間の価値観の違いも甘受すべし、というのが割と素直な解釈か。すると保守的な父親の世代に対する警告とも取れる。
ちゃんと弾きながらちゃんと歌ってる…
Velvet Revolver によるカバー
true grunge sound 信奉者がどう評価するかは知らぬが、やはりスコットワイランドは器用。色んな発声が出来る彼はこの曲も歌いこなせている、と言うべきか。
ギターについては、我慢できなかったのだろう、スラッシュ節が炸裂しちゃってます。
でも彼はこの曲、本当はやりたくなかったんじゃないかなあ…
ベースを弾くのは、コベインが死ぬ数日前に飛行機内で遭遇したダフマケイガン。
SOLD for 22,400! A used paper plate with a #Nirvana set list handwritten by #KurtCobain at the 9:30 nightclub in Washington, D.C., on April 23, 1990.
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コベイン直筆の紙皿がオークションで落札。
Neg Crêpe
ネガティブ クレープ!(皿だけに?)
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