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歌詞和訳 Nirvana – Milk It コード

1990s

1993年発表の第3作アルバム In Utero 所収。

Milk It

(Kurt Cobain)

A A A Eb Eb F# F# Eb
F# F# F# G G Eb Eb Eb
A A A Eb Eb F# F# Eb
F# (F# F# G G Eb Eb Eb)

I am my own parasite
I don’t need a host to live
We feed off of each other
We can share our endorphins
俺は自分に寄生してる
宿主なんて必要ない
共食いしてる様なもの
エンドルフィンも分かち合える

Doll steak!
Test meat!
人形のステーキ
検査の肉

(chorus)
Look on the bright side, suicide
Lost eyesight I’m on your side
Angel left wing, right wing, broken wing
Lack of iron and/or sleeping
明るい側に目をやれば、自殺行為
視界を失えば、俺も君の側
天使の左翼、右翼、傷付いた翼
鉄分およびまたは睡眠の不足

I own my own pet virus
I get to pet and name her
Her milk is my shit
My shit it is her milk
俺にはペットのウイルスがいて
彼女を可愛がって名前まで付けてる
彼女の乳は俺の糞になり
俺の糞は彼女の乳になる

Test meat!
Doll steak!
検査の肉
人形のステーキ

→(chorus)
(interlude)

Doll steak!
Test meat!
人形のステーキ
検査の肉

→(chorus)

Protector of the kennel
Ecto-plasma, Ecto-skeletal
Obituary birthday
Your scent is still here
in my place of recovery
あばら屋を守る
外形質、外骨格
死んだその日が誕生日
立ち直ったここでも
まだ君のにおいがする

 第1バース
feed off = 取って食う
 feed on = 常食とする
 on と off で正反対なのに結果的に似た意味を持つ。
互い(each other)を宿主とし、また同時に寄生者としている。
すると表題の Milk It が表すのは「互いを搾取し尽くせ」といった所か。
そして後出の、文字通りの名詞のミルクとも掛けているのだろう。

endorphin(エンドルフィン)は、脳内神経伝達物質の一つ。
モルヒネ同様の鎮痛作用があり、 多幸感を生む。
endorphin < morphine(モルヒネ)

作者コベインは慢性胃痛の緩和の為にヘロイン(モルヒネから精製)を常用していた(と言われるが本当の所は知り得ぬ)。

Doll steak! Test meat! 人形のステーキ 検査の肉
文字通りに対訳はしたけど、何の事やら…
アルバムの解剖学的イメージを呼び起こしはする。

 サビ
Look on the bright side, suicide
Lost eyesight I’m on your side
二行目は Smells Like Teen Spirit の一節
With the lights out, it’s less dangerous 明かりが無い方が危険も減る
と意味が似ている。
明るい方ばかり見る事は自殺行為と一行目に断じ、見え易い所だけを見る事を嫌った、他ならぬコベインが実際には自殺に至ったというこの上ない皮肉。

and/or = およびまたは(両方とも、またはいずれか一方)
言葉というより論理記号。
19世紀半ばから法的文書などに使われる様になったとの由。
ただこれには、不細工な言葉の使い方だ、との批判もある。
が、論理的だし簡潔(2音節)だからとても便利な言葉だと思う。
(日本語だと上記の通り説明がやたらと長くなってしまう。「およびまたは」の慣用性は低い)
勿論はっきりと定義した上での周知が大前提だろう。

因に、3者以上についても適用される。
He will eat cake, pie, and/or brownies.
この場合、いずれか1つ、またはいずれか2つ、または3つ全て、を指す。
(これに至っては日本語で過不足無く伝えるのに一苦労)

鉄分(iron)も、睡眠(sleeping)も、不足(lack)すれば体の不調を引き起こす。
ただここに作者が and/or という言葉を持ち出したのは、第1バースの endorphins に語呂を合わせて and/or sleeping としたかったからだろう(これは押韻とは言えぬか)。

 第2バース
寄生者と宿主の双方が互いを必要とする様子。
ただ一般的に考えても、ウイルスは宿主を食い尽くせば自身の死をも招く。

Pennyroyal Tea にもミルク(warm milk)と鉄分不足(貧血 = anemic)は登場する。言わばキーワード。
作者はこれまた胃痛の緩和の為にミルクを飲んでいた(らしい)し、貧血については医者にそう診断されたのだろう(多分)。

 最後のサビ
kennel = 犬小屋(の様なみすぼらしい家)
ecto = 外(部)の
ectoplasma = 外形質、エクトプラズム
skeletal = 骨格の、骸骨の
obituary = 死(者)の

死者の誕生日(obituary birthday)を、生まれ変わり、と見なせば、recovery ≒ reincarnation(輪廻転生)となろうか。
今だに臭いがする(your scent is still here)とは、影響を消し去れない事を言うのか。

対訳の「死んだその日が誕生日」は「ど根性ガエル音頭」からのパクリ。
その歌の中の「動くホテル」って今思うとシャツの事だったんだなあ。
ピョン吉にとってひろしは宿主… いや、脱着可能だから違うか。

作者は爾後の彼らの音楽が本作に象徴されるものになると打ち明けていた。
が、我々の耳に届く事は終ぞ無かった。

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