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歌詞和訳 Stone Temple Pilots – Interstate Love Song コード

1990s

Stone Temple Pilots のフロントマンでシンガーの Scott Weiland が死んだ。
2015年12月3日没、享年48。
バンド最大のヒットシングルをここに取り上げ以って哀悼。
1994年発表の第2作アルバム Purple 所収。

Interstate Love Song

(music: Robert DeLeo, lyrics: Scott Weiland)

C#m E A G# A E
E

C#m G#7
Waiting on a Sunday afternoon
B F#
For what I read between the lines
A
Your lies
E
C#m G#7

Feeling Like a hand in rusted shame
B F#
So do you laugh at those who cry
A
Reply
E
ある日曜の午後
私が察したものを待ち受ける
それはあなたの嘘
錆びた恥辱をこの手に浴びた気分
あなたは悲しむ者を嘲笑うのね
答えて

C#m E
Leaving on a southern train
A G#
Only yesterday you lied
A E
Promises of what I seemed to be
A G#
Only watched the time go by
A E
All of these things you said to me
南の列車に乗って去って行った
あなたが嘘をついたのはほんの昨日の事
こうなるだろうという期待も虚しく
あなたが私に言った色んな事を横目に
時がただ通り過ぎて行った

Breathing is the hardest thing to do
With all I’ve said and all that’s dead for you
You lied
Goodbye
息をするのもとてもつらい
私が言った全てとあなたには無意味な全て
あなたは嘘をついた
さようなら

Leaving on a southern train
Only yesterday you lied
Promises of what I seemed to be
Only watched the time go by
All of these things I said to you
南の列車に乗って去って行った
あなたが嘘をついたのはほんの昨日の事
こうなるだろうという期待も虚しく
私があれこれとあなたに言った事のそばを
徒に時が通り過ぎて行った

ワイランドは半年程前にコメントを求められた際、同年の67年生まれのカートコベインの死を
our generation’s death of rock ‘n’ roll 我々世代のロケンロールの死
と形容していた。

27歳で死んだコベインより20年余り長く生き、歌ったロックスターだった。

ではまず、表題の解釈から。
interstate(州間の)は米国人の語感だと多くの場合、後続に highway を予想するだろうし、その一語のみで interstate highway を指しもする。だからこの表題は遠距離恋愛歌の様なものだと勝手に思っていた。
しかしどうやら少し的外れだという事が歌の背景を調べてみて分かった。
ワイランドは常用していたヘロインについて当時の恋人に質されては既に絶ったと嘘をつき通しており、その慙愧からか彼女の思いを自身に差し向ける形でこの詞を書いたらしい。
つまり state は状態の意で、より具体的には心理状態(state of mind)だろう。
Billy Joel が New York State Of Mind でやったのに似た言葉遊び。
20年越しで合点がいった。

ただ Leaving on a southern train のラインに鑑みれば、原義たる「州をまたいだ」の含意もやはりあるだろう。
上のシングルのジャケ写に写るのは interstate highway そのもの。道路だから train でなく車だが。

同じく20年越しの真実。
So do you laugh at those who cry
このラインは、何で目にしたかは忘れたがそこには確か、
So do you laugh or does it cry
と書いてあったのを覚えており、it て何じゃらほいとは訝りながらもそう歌っているものとばかり思っていた。
ところが前者の方が語法的に納まりがいい上に、内容的にも咽び泣く恋人を見て嘲笑う者に対する難詰の言葉という事になり、直後の reply(答えなさいよ)と併せ考えても上述の作詞の背景にバチッと符合する。
ただ今だに後者が多く流布している。しかも英語話者の間でも正しいものとして。
上掲のビデオでは、この部分だけをまるで意図的にボカすかの如くワイランドの顔が外されるので、読唇は出来ない。が、やはり彼は前者の通り歌っている。


追記

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やっぱ laugh at those who cry


Promises of what I seemed to be
いづれ結ばれ妻になるという(健気な)望みの事だろう。
しかしその期待は虚しくも反故にされた。
Only watched the time go by
All of these things you said to me
上記3行で1文を成すと見なしている。つまり go by は自動詞+前置詞で、3行目が丸々その目的語。
その3行目「あなたが私に言ったあれやこれや全ての事」を既出の語で言い換えれば Your lies (あなたの嘘)となろう。
こんな評し方は滅多にするモンじゃないが、とても詩的なラインだと思う。

更にはテレコにした最終行
All of these things I said to you
これは今度は、「女が無邪気にも期待を持って男に発した言葉の数々」だと想像できる。
この仕掛けもよく出来ていて面白い。
またこれを言い換えれば all that’s dead for you (あなたには無意味な全て)となるだろうか。

You lied あなたは嘘をついた
この you は他ならぬワイランドの事であり、先述の通りこの言葉の矛先を自身に向けている。
嘘がバレていると感じ取っていたかは知る由も無いが、いづれにせよ消し去れぬ慙愧の念が彼にこの詞を書かせたのは想像に難くない。
それこそ read between the lines すると彼の自虐や後悔の色が浮かび上がって来る。そしてこんな歌でも歌わないと贖罪をし得ぬ男の悲哀も。
女性の皆さん、男の陳腐な独り善がり、だなんて言わないで!


臆面も無く、だがものまねでなく、見事に、先出のコベインをカバーしおおせている。


ある意味「便利」な歌い手だったのだろう。


敬愛する先輩の vocal chameleon の歌も当然の如くカバーしている。


こんなのも歌っていたりする。crooner の系譜。ボウイ?シナトラ?

上のカバーの全てに言えるのは、本家の歌唱の魅力の再発見にもなる、という事。

Velvet Revolver 版 (動画削除につき差し替え)

1999年発表のSTPの第4作アルバム No. 4 と2016年発表のボウイの第25作アルバム Blackstar

白黒反転。ワイランドは white star を演じていたのか。


追記

2015年、ボウイが共通の知人に語った言葉

I know you’re friends with Scott Weiland. Please let him know that I’m here to talk if he needs someone.

君はスコットワイランドと友達なんでしょ。誰かを必要としてるなら僕がいつでも話をしよう、と彼に知らせてほしい。

なんちゅうええ話…
この世で会って話す事は叶わなかったが、きっとあの世で…


この動画の主張はSTPが批評家から受けた諸々の批判を本作で退けたという全く正当なもの。
本作の主人公は94年にワイランドと結婚し2000年に離婚したジャニーナカスタネイダの事。元は二人共ヘロインアディクトで、彼女のみクリーンになるも、彼には舞台上で万能感を与えてくれるヘロインがやはり必要だった。

この Professor Of Rock (米国人)は does it cry と明言。すると it が指すのは rusted shame という事だろうか。

コメント

  1. deni より:

    VRのカバー版は原キーなのにギター2人がEをバレーしてるから弦半音下げの模様。開放が鳴らせないのも道理。バース部分、パワーコードで根音のみクロマチック下降。きっとディーンに言わせりゃインチキ進行。でも確かに八兵衛さんの仰る通り、スラッシュがあれをちゃんと押さえてたら逆に気持ち悪いかも。
    ダフのベースはロバートにまあまあ忠実。ただ本作を半分フォークロックと見なす者からすりゃちょっと音が分厚すぎ。ピックのアタックは意外に気にならないけど。
    動画コメントは、スラッシュが曲を台無しにしているという意見に対し信者が擁護するというまあ予想通りの展開。

  2. 八兵衛 より:

    なかなか良い動画。まるで別の曲みたいですね。ガンズの曲みたい。良いのか悪いのか疾走感が無くなって。これはこれで好きですね。ちょっと保存しちゃいました。
    ガンズの半音下げはアクセルの声の為かと思ってましたが、VRも半音下げなんですね。スラッシュって半音下げの音にこだわりがあったんですね。
    一番気になったのはスラッシュがセミアコ弾いてたことです。あんなことあるんですね。それから、さらにリンク先にあった Joss Stone Temple Pilots は色んな意味で強烈でした。最初はこりゃひでぇなと思ったのですが、今、何度も繰り返し聴いている自分がいます。