もう何年も公の発信が無かったのを、下らぬ憶測を避けんが為の方便だ、などと憶測していました。
そしてその姿勢を、抜け目が無い、などと勝手に評していました。
あなたが明敏であったのは紛れも無い事実でしょうが。
前作と今作のアルバム収録曲の歌メロには起伏が無い、などと勝手に失望していました。
I’m in danger
このラインがまさか Bowie の、否、David Jones の生身に literal に切迫している事だったなんて思い及ぶ由も無し。
でも行間を読んだり、言外の意を酌んだり、語や文句の figurative な意味を認めたりする事を教えたのはあなたでした。
いや、私の想像力が足りなかっただけか。
狂気というものを忌避すべからざるものに転化せしめて来たあなた。
また、それが忌避すべきものとの空気を変えてやろうとしたあなた。
それは勿論、何をおいてもあなた自身の為だった。
我々はオギャーと生まれ落ちた時から、ずっと正気なんかでいられない。
両極を提示する事でその間の多様を当たり前のものとして見せる。
それが David Jones の死命を賭した、演技者 Bowie の使命だったのですか。
しかしあなたは強いたりはしない。
怠け者の私が年末年始にかけて今までに無く頻繁に David Bowie の歌を投稿していたのはあなたからのサインを受け取っていたからだと勝手に勘違いさせて下さい。
そしてその取り上げた歌がデビュー期と晩期のものだったのはあなたの半世紀余りに亘る歌手人生を讃えんが為だったと勝手に思わせて下さい。
両親と、お兄さんと、三島由紀夫と、マークボランと、ジョンレノンと、マーロンブランドと、フレディマーキュリーと、ミックロンソンと、カートコベインと、大島渚と、ルーリードと、スコットワイランドと、一緒に賑やかに厳かにやっていらっしゃる事でしょう。
This way or no way
You know, I’ll be free
さようなら
追記
2015年、ボウイが共通の知人に語った言葉
I know you’re friends with Scott Weiland. Please let him know that I’m here to talk if he needs someone.
君はスコットワイランドと友達なんでしょ。誰かを必要としてるならいつでも話をしよう、と伝えてほしい。
やはりボウイはワイランドの事を気に掛けていた様だ。
この世で会って話す事は叶わなかったが、きっとあの世で…
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