歌詞和訳 The Kinks – Waterloo Sunset コード

Something Else by The Kinks,キンクス,デヴィッドボウイ

67年発表、英2位のヒットシングル。後に第5作アルバム Something Else by The Kinks に最終曲として収録。

Waterloo Sunset

(Ray Davies)

E B7
Dirty old river, must you keep rolling
A
Flowing into the night
E B7
People so busy, make me feel dizzy
A
Taxi lights shine so bright
F#m F#mM7 F#m7 B
But I don’t need no friends
E B7
As long as I gaze on Waterloo sunset
A
I am in paradise
古くからある濁った川、絶えずうねり
夜へと流れ出づる定め
せわしない人々に目眩く
タクシーのライトが煌々と輝く
でも僕は友達などいらない
ウォータールーの夕焼けを見つめてさえいれば
天にも昇る心地

A E F#
(sha la la) Every day I look at the world from
B
my window
A E F#
(sha la la) But chilly, chilly is the evening time
B B7
Waterloo sunset’s fine (Waterloo sunset’s fine)
窓からこの世を眺める毎日
夕暮れ時は冷えに冷え
ウォータールーの夕焼けが映える

Terry meets julie, Waterloo station
Every Friday night
But I am so lazy, don’t want to wander
I stay at home at night
But I don’t feel afraid
As long as I gaze on Waterloo sunset
I am in paradise
テリーがジュリーと待ち合わせる
ウォータールー駅、毎週金曜の夜
僕はと言えば無精で、外をぶらつく気は起きず
夜はもっぱら家の中
それでも不安など感じない
ウォータールーの夕暮れを眺めていれば
それでもう僕は楽園の中

Every day I look at the world from my window
But chilly, chilly is the evening time
Waterloo sunset’s fine
毎日この世界を窓から眺める
夕暮れ時は冷えに冷え
ウォータールーの夕焼けが特に映える

Millions of people swarming like flies round
Waterloo underground
But Terry and Julie cross over the river
Where they feel safe and sound
And they don’t need no friends
As long as they gaze on Waterloo sunset
They are in paradise
無数の人々が虫の様に群れ集まる
ウォータールー駅の地下
でもテリーとジュリーは川の上を渡る
そこは心休まる場所
二人も友達など必要としない
ウォータールーの夕暮れを眺めている限り
二人は夢見心地

Waterloo sunset’s fine (Waterloo sunset’s fine)
ウォータールーの夕焼けは絶景

(ロンドンの)ウォータールーのサンセットは美しい
というこの上なく陳腐な表現を歌の主題に臆面も無く据えちゃうのがスゴい…
というこの上なくひねくれた見方しか出来ない私はどうかしてるに違い無い。
対訳の多くにも体言止めという陳腐な修辞を施す始末…
ってそりゃ訳者の技量という、こっち側の問題だけど。
でも夕焼けなんてどこのだって大体フツーに綺麗なワケで、「あそこの夕焼けはそれはそれはヒドい光景だったなあ」なんて耳にした事ある?

と、そんな大きなお世話をよそに、本作は同業者からの評価も高く、divine(神々しい)なんていうこの上ない賛辞も捧げられたりしている。カバーも多い(ボウイ他)。
きっと作者本人や同業者のみならずロンドンの市井の人達の多くが共有する夕景を脳裏に映し出し、更には芋蔓式にそれに纏わる個々人の記憶を呼び起こしたりもするのだろう。つまりは地元民お気に入りの御当地ソングみたいなモンか、と大人しく納得したつもりが、実は原題は Liverpool Sunset だった(どないやねん)。
作者レイデイビズは元々リバプールを偲んでこれを書いたが、生まれ故郷のロンドン市内のウォータールーに差し替えるという言葉遊びをしたらしい。
確かに同韻語ではあるけど(Liverpool / Waterloo)。
リバプールじゃあちらさんの地元になっちゃうから?

ひとつ言葉の確認を。
swarm = 群がる
(a)round Waterloo underground と続き、地下鉄駅の人いきれを描写。
ウォータールー駅はロンドン地下鉄で最も乗降客が多いそうな。

あ、それから every Friday night って事は、67年当時既に英国は週休2日制だったのだろうか。

テリー、ジュリーと主人公、それから underground と over the river の対比には敢えて触れずにおきます(などと怠慢を糊塗してこの辺でお終いにします)。

ボウイによるカバー

Waterloo sunset’s fine.
waterloosunset

ん?方角が未知として、写真の朝焼けと夕焼けってどう区別する?