79年発表の第13作アルバム Lodger 所収。
DJ
(David Bowie, Brian Eno, Carlos Alomar)
Lost my job
And incurably ill
You think this is easy realism
I’ve got a girl out there, I suppose
I think she’s dancin’
Feel like Dan Dare lies down
I think she’s dancin’
What do I know?
仕事を失って
立ち直れないほど気分が悪い
安易なリアリズムだなんて思うんだろ
外に女の子が来てると思うんだけど
踊ってるんじゃないかな
ダンデアが転がってるみたいな気分だよ
踊ってんだと思うよ
分かんないけど
I am what I play
Can’t turn around, no
Can’t turn around, no
I am a DJ
I am what I play
Can’t turn around, no
Turn around, no, oh no
プレイするものこそが俺
回せない
回せない
俺はDJ
俺は流す音楽そのもの
回せない
だけど回せないんだ
I am what I play
I’ve got believers
(Kiss-kiss)
Believing me
音楽そのもの
俺には信者がいるのさ
(ちゅっちゅっ)
俺に虜の信者が
Of lights and evening faces
Fast food, living nostalgia
Humble pie or bitter fruit
週末がまた来る
ファストフード、強烈な郷愁
屈辱のパイか苦い果実か
I am what I play
Can’t turn around, no
Can’t turn around, no
I am a DJ
I am what I say
Can’t turn around, no
Can’t turn around
プレイするものこそが俺
回せない
回せない
俺はDJ
俺は流す音楽そのもの
だけど回せない
回せない
I am what I play
I’ve got believers
(Kiss-kiss)
Believing me
音楽そのもの
俺には信者がいるのさ
(ちゅっちゅっ)
傾倒する信者が
(guitar solo)
I am what I play
Can’t turn around, no
Can’t turn around
I am a DJ
I am what I play
Can’t turn around, no
Can’t turn around
I am a DJ
I am what I play
Can’t turn around, no
(kiss-kiss)
プレイするものこそが俺
回せない
回せない
俺はDJ
俺は流す音楽そのもの
回せない
回せない
俺はDJ
俺は音楽そのもの
だけど回せない
(ちゅっちゅっ)
Break his heart, break her heart
He used to be my boss and now he is a puppet dancer
I am a DJ and I’ve got believers
彼の心を壊し、彼女の心を砕き
俺のボスだった彼も今や操り人形
俺はDJで信者がいるんだ
I’ve got believers
I’ve got believers in me
I’ve got believers…
信者だよ
俺にぞっこんの
信者達よ…
本人の弁
This is somewhat cynical but it’s my natural response to disco. The DJ is the one who is having ulcers now, not the executives, because if you do the unthinkable thing of putting a record on in a disco not in time, that’s it. If you have thirty seconds’ silence, your whole career is over.
ちょっと皮肉な歌だけど、ディスコに対する僕の自然な反応でもある。今や潰瘍が出来ているのはDJであり、お偉方ではない。ディスコでタイミングを外してレコードをかける様なヘマをしでかしたらもうそれまでだからね。30秒も音が出なけりゃキャリアは完全におしまい。
You think this is easy realism
ここは easy, realism と読点を挟む表記もある様だが私は連語と理解している。
即ち、安易なリアリズム。簡単な写実主義。
事実、音楽をレコード等で再生するのは実演に比べ遥かに簡単な事であり、しかしその音は高度な写実性を保っている。
DJはボウイの本名 David Jones のイニシャルにも掛けていると言われる。すると、音楽制作/実演者たるボウイもお偉方の下では音楽紹介/再生者たるDJと同じく操り人形に過ぎないと歌っているのかも知れない。自身のアイデンティティを確認すべく「俺はDJ、聴いてくれる信者がいるんだ」と繰り返し喚く、哀れなDJ…
但し本人が言及するソースは見当たらないので真相は知り得ない。
Talking Heads の David Byrne (こちらはDB)の様に歌ったとも言われるが、これは頷ける。言葉を放り投げて開き直る感じの歌い方がよく似ている。
当時の彼ら二人のDBを繋ぐブライアンイーノという協働者もいる。十分過ぎる接点ではある。
Dan Dare は英国のSF漫画の宇宙パイロット。恐らく「過去のヒーロー」として持ち出している。
アルバム Lodger の発売は79年5月18日。
その2日後の5月20日、ボウイは BBC Radio One の番組のDJを務めている。
ドアーズに始まり、先のトーキングヘッズやロキシーミュージック、ストーンズ、T. Rex 等、2時間で29曲を紹介。
自曲は Lodger から Boys Keep Swinging と Yassassin の2曲。DJをしながら当の本作DJはかけないという変なこだわり。
ここでボウイクイズ。
Q1. 番組収録時、ボウイが履いていた履物は次のどれ?
A) 木靴
B) ローラースケート
C) 裸足
D) 下駄
Q2. 次回のDJは誰?
A) マークボラン
B) ブライアンフェリー
C) ティナターナー
D) ミックジャガー
ところで、CDプレーヤーやカセットデッキにはPLAYボタンが付いているが、我が国では再生と呼ぶ。飽くまで元の素材を利用した再現であり実演ではないという含意がある点において英語の play よりも精確に事象を表し得た言葉だと思うが如何。
DJは本当は play じゃなく再生してるだけ。高度な写実を実現するのはDJという人間でなく再生装置という機械。
ヒント
Q1.
1:25:10 –
Me toes hurt in between. I got these strange sort of Japanese sandals on. And uh… they hurt your toes in there.
Q2.
1:57:43 –
こたえ
Q1. D) 下駄
鼻緒が当たって爪先が痛いみたい。
ただ Japanese sandals だから雪駄かも知れないし、草履かも知れない。
ヒント英文、最初の hurt は自動詞、次のは他動詞。
me toes = my toes
Q2. C) ティナターナー
ボランは既に77年に他界。クイズ作成者なりの引っ掛け。
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