歌詞和訳 David Bowie – Song For Bob Dylan コード

Hunky Dory,デヴィッドボウイ,ボブディラン

1971年発表の第4作アルバム Hunky Dory のB面3曲目。
Robert Zimmerman はディランの本名。
イントロとバース、そして間奏に使われるAからEへの下降コード進行はディラン曲にも見られるもの。

Song For Bob Dylan

(Bowie)

A G#m F#m E A G#m F#m B

A G#m
Ah, hear this Robert Zimmerman
F#m E
I wrote a song for you
A G#m
About a strange young man called Dylan
F#m E
With a voice like sand and glue
G#m C#m
Some words had truthful vengeance
B A
They could pin us to the floor
F#m G#m
Brought a few more people on
A B
And put the fear in a whole lot more
ああ、聞いておくれよ、ロバートジマーマン
あなたに歌を書いたんだ
ざらざらしたねちっこい声の
ディランっていう変な若い男の歌でね
彼の詞に垣間見るきっちりやり返す様は
僕達を釘付けにするほどだった
そのおかげで賢くなった人もいたけど
恐怖を植え付けられた人はもっと多くいた

A
Ah, Here she comes, here she comes
D A
Here she comes again
A
[That]The same old painted lady
E
From the brow of the superbrain
F#m
She’ll scratch this world to pieces
G
As she comes on like a friend
A
A couple of songs from your old scrapbook
E
Could send her home again
ああ、彼女のお出ましだ
またまた
あの頭脳集団から
いつもの蝶がやって来た
友達みたいな顔をしてやって来ては
場を滅茶苦茶にしてしまう
あなたの古いスクラップブックにある歌なら
彼女を元通りに出来るだろうに

You gave your heart to every bedsit room
At least a picture on the wall
And you sat behind a million pair of eyes
And told them how they saw
Then we lost your train of thought
The paintings are all your own
While troubles are rising we’d rather be scared
Together than alone
あなたの心は狭いアパートの部屋全てに届いた
少なくとも壁にポスターは貼ってあった
そしてあなたは100万もの人を後ろから支え
ものの見方を説いた
だけど僕達はあなたの考えに付いて行けず
あなたが描いたものを共有できなかった
問題が続出しているのに僕達は一人でいるより
皆で仲良くオロオロする方を選んでしまう

Ah, Here she comes, here she comes
Here she comes again
Same old painted lady
From the brow of the superbrain
She’ll scratch this world to pieces
As she comes on like a friend
But a couple of songs from your old scrapbook
Could send her home again
ああ、彼女のお出ましだ
またまた
あの頭脳集団から
いつもの蝶がやって来た
友達みたいな顔をしてやって来ては
場を滅茶苦茶にしてしまう
あなたの古いスクラップブックにある歌なら
彼女を元通りに出来るだろうに

(guitar solo in A G#m F#m E A G#m F#m B)

Now hear this Robert Zimmerman
Though I don’t suppose we’ll meet
Ask your good friend Dylan
If he’d gaze a while down the old street
Tell him we’ve lost his poems
So we’re writing on the walls
Give us back our unity
Give us back our family
F#m G#m
You’re every nation’s refugee
A B
Don’t leave us with their sanity
なあ、聞いておくれ、ロバートジマーマン
僕達は出会うことはないと思うけど
古い街をちょっとでも振り返る事があるのか
あなたの親友ディランに尋ねてみておくれ
そして彼の詩をなくしてしまったから僕達は
壁にこんな事を書いてるんだと伝えておくれ
団結を取り戻そう
絆を取り戻そう
あなたはどの国からも逃れる身
僕達をまともなままに置いて行かないでおくれ

Ah, Here she comes, here she comes
Here she comes again
The same old painted lady
From the brow of the superbrain
She’ll scratch this world to pieces
As she comes on like a friend
But a couple of songs from your old scrapbook
Could send her home again
ああ、彼女のお出ましだ
またまた
あの頭脳集団から
いつもの蝶がやって来た
友達みたいな顔をしてやって来ては
場を滅茶苦茶にしてしまう
古いスクラップブックのあなたの歌なら
彼女を元通りに出来るだろうに

G
Oh, a couple of songs from your old scrapbook
A
Could send her home again
A D A
Oh, here she comes, ooh, here she comes
A D
Oh, here she comes, ooh
古いスクラップブックのあなたの歌なら
彼女を元通りに出来るだろうに
ああ、また彼女のお出ましだ

A G#m F#m E A G#m F#m B E

公式サイト davidbowie.com に掲載の詞は必ずしもスタジオ録音の歌唱に忠実ではないのでご注意あれ。
本作に至ってはサビのリフレインを Here she comes etc. などと記している事から察するに、そもそも正確を期する気などさらさら無い模様。
最初のサビに [That]The と表記したのは、ミックロンソンのハモは that だがボウイは the と歌っているから。
Don’t leave us with their sanity の所は with our sanity って歌ってんじゃないかなあ。their だとしてもそれが何を指すのかさっぱり分からん。

vengeance = 復讐(= revenge)
brow = 頂上
bedsit = bedsitter = 寝室(bedroom)居間(sitting room)兼用の部屋
train of thought = chain of thought = 一連の考え

よく sandpaper(紙やすり)に喩えられたディランの声をボウイは sand and glue (砂と糊)みたいだと表現している。
私にはロンソンのギターもそんな音に聞こえる(レスポールからマーシャル直?)。

superbrain はアンディウォーホル(一派)で、she はディランの元恋人のイーディセジウィックを指すというのがほぼ定説。
アルバム中ひとつ前のB面2曲目が Andy Warhol である事も影響していようか。

We’d rather be scared together than alone
一人でいるよりは皆で怖がっている方がマシ

日本にはこれに似た「格言」がある。
 赤信号 みんなで渡れば 怖くない
仮初の安心、その正体は自己欺瞞。
alone は孤独でなく、自身で物事を深く考える事を指すのだろう。しかしそれを放棄し、ただ徒党を組んでしまう。
毎年1回はTVで特集される学生運動の狂騒を見る度に彼らの多くの心中はこんなものだったのだろうと思い致す(余談)。

I don’t suppose we’ll meet とあるが、実際には二人は何度も会っている。

但し、ボウイが会ったのはディランであってジマーマンではないかも知れない。恐らくボウイはジョーンズとして彼に会ったのだろうが。
実像とパブリックイメージの乖離。ディランの苦悩の種でもあった。
ボウイはそれを察していたからこそ本作でジマーマンに語り掛けたのだろう。

で、ディランのノーベル文学賞は、ジマーマンが受賞を拒んでるの?