スコットランドの英国からの独立は住民投票の結果否決された。
ただキャメロン首相が権限移譲を宣言するに及んだ事に鑑みれば、スコットランド人にとって一定の成果はあったと言えるのだろう。
当地は、面積と人口が北海道とだいたい同じで、GDPはちょっと大きいそうな。東の沖には北海油田、西岸には軍港がある。
投票動向や背景を調査した島袋純琉球大教授(政治学)の指摘。(琉球新報2014年9月19日)
「英国の核戦略は、スコットランド・グラスゴー近くの軍港に駐留する原子力潜水艦に依存している。イングランドには停泊可能な港がなく、また造れないので、そこにしか置けない」
「米英の核戦略は一体化している。核兵器撤去となれば、英国はその核戦略から離脱せざるを得なくなり、米英軍事同盟の弱体化につながる。そうなれば米国の世界的な軍事覇権の維持にも影を落とす。沖縄にも無関係ではない」
さて、2月の Brit Awards で受賞した David Bowie は自らは臨場せず Kate Moss にメッセージを託した。
そのメッセージの最後に曰く、Scotland, stay with us
この言葉が議論を活発化させる契機となったとする好意的な見方があった一方で、独立推進派からは手厳しい攻撃を受けた。中には口汚い罵倒などもあり、ツイッターとFBのアカウントは炎上した。
政治的な発言自体には何の問題も無い。イングランド出身者だし、心情的にはこうなるだろう。
ただ彼を全くのリベラルだとずっと思ってきた私にとってこの発言は意外だった。
しかも当の本人はNYに住んでおり、長きにわたって母国を離れている。スターが蚊帳の外から(況して代理人の口を通して)独立賛否の議論に割って入ったのだから、そこに及んだ経緯なり理由なりは後からでも表明して欲しかった。しかしそれ以降、発信は無し。首相の差し金だの、賞の主催者との結託だのと憶測を呼んだだけだった。そりゃそうだろう。たったこの一文の表明じゃ、賛成反対双方に情緒的なインパクトを与えるだけ。
本人に何かメリットはあったのか。それとも一人のイングランド人の本当に純粋な心情の吐露だったのか。
だったとしても自身が相応の影響力を持つ事くらい分かっている筈。
まさかNYから Stay with (the) United States と呼びかけたのか?
それとも Loving The Alien の一節の様に
the heathen lie will disappear
異邦人の嘘は消え去るであろう
なんて嘯いてみたのだろうか。
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