79年発表の第13作アルバム Lodger 所収。
Look Back in Anger
(David Bowie, Brian Eno)
The speaker was an angel
He coughed and shook his crumpled wings
Closed his eyes and moved his lips
“It’s time we should be going”
声の主は天使
咳をするとよれよれの羽が揺れた
目を閉じた彼が唇を動かす
「出発の時だ」
Look back in anger, driven by the night
Till you come
(Waiting so long, I’ve been waiting so, waiting so)
Look back in anger, see it in my eyes
Till you come
怒りに振り返る、夜に衝き動かされて
お前が来るまでずっと待っていた
(長い間、ずっと、待っていた)
怒りに振り返る、目を見れば分かるだろ
お前を待ちわびていた
So he leafed through a magazine
And, yawning, rubbed the sleep away
Very sane he seemed to me
そこで彼は雑誌をぱらぱらとめくり
あくびをしながら眼を擦って眠気を覚ました
彼は私には全く正気に見えた
Look back in anger, driven by the night
Till you come
(Waiting so long, I’ve been waiting so, waiting so)
Look back in anger, feel it in my voice
Till you come
怒りに振り返る、夜に駆られて
お前が来るまでずっと待っていた
(長い間、ずっと、待っていた)
怒りに振り返る、声で察せよ
お前を待ちわびていた
50年代に世界的にヒットした同名演劇とは内容的には無関係だが、MTV前夜のこのプロモーションビデオはオスカーワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」の描写に倣っているとの由。
表題自体は演劇から流用したものだろうけど。
本作の邦題は「怒りをこめてふり返れ」と命令形にしてある。
しかし本当は平叙文だろう。詞中に明示されていないが主語は I(語り手)。
そして、see/feel it in my eyes/voice の it が指すのは anger で、こっちは命令文。つまり「俺の目/声から怒っているのを察しろ」と言うのです。
続く副詞節 till you come は(変則的だがバッキングボーカルの中の)waiting に係っている(この語順のままだと機械翻訳ならマシンが混乱する事請け合い)。
… と、言語はまあ明瞭なんだけど文脈が正直よく分からない。白旗。
主人公は誰になぜお怒り?Rebel Without a Cause ってか?
88年の”new, brutal version of the song”
Reeves Gabrels との初コラボ、91年の Rykodisc 版 Lodger にボーナストラックとして収録。
ただ私は原版のデニスデイビスのドラムにシビれるクチでこっちはピンと来ない。
我ながら何と狭隘な、哀れな原典主義者である事よ。
生放送番組
原色ギターを二度見してもーた。ボウイが Jackson を弾いてる!つってもシールドすら見当たらぬ文字通りの unplugged で、実際にソロを弾いてんのは恐らく88年版と同じガブレルズ。
追記
プロデューサーによるドラム演奏分析
デイビスの息子ヒカル(母ちゃん日本人?)がトニービスコンティにインタビュー(の一応の体裁)。
ドラムとコンガのトラックだけでも聴いてられるなあ。しかしこんな小っちゃい子供おったんかいな。
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