1983年発表の第11作アルバム She Works Hard for the Money の表題曲/開始曲。米3位を記録したヒットシングル。
She Works Hard for the Money
(Donna Summer, Michael Omartian)
G#m F# B D#m7 G#m
G#m F# G#m F# G#m F# G#m
F# E F# E F# E F#
C#m7 D#m7
G#m F# G#m F# G#m F# G#m
G#m
She works hard for the money
F#
So hard for it, honey
C#m7
She works hard for the money
D#m7 G#m
So you better treat her right
She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So you better treat her right
稼ぐのに一生懸命なんだよ
お金を求めて精一杯働いている彼女
だからちゃんと扱ってあげないと
G#m E
Onetta there in the corner stands
F# G#m
And she wonders where she is
C#m7
And it’s strange to her
D#m7 G#m
Some people seem to have everything
Nine a.m. on the hour hand
And she’s waiting for the bell
And she’s looking real pretty
Just waiting for her clientele
自分は一体どこにいるのかしらと思う
そして何の不自由もない人もいる
そう思えるのが不思議でならない
時計の針は午前9時
始業のベルを待つ彼女
得意客を待っているだけでも
実にきれいに見える
She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So you better treat her right
She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So you better treat her right
稼ぐのに必死なんだよ
お金を求めて精一杯働いている彼女
だからちゃんと扱ってあげないと
Twenty-eight years have come and gone
And she’s seen a lot of tears
Of the ones who come in
They really seem to need her there
It’s a sacrifice working day to day
For little money, just tips for pay
But it’s worth it all
To hear them say that they care
彼女は来てくれる人達の
涙をたくさん見てきた
彼らは彼女がいてくれないと困る様だ
チップだけのわずかな稼ぎしか得られぬ
日々の労働は犠牲を強いるもの
でも彼らが気にかけてくれていると聞けば
それだけの価値はあるというもの
She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So you better treat her right
稼ぐのに一生懸命なんだよ
お金を求めて精一杯働いている彼女
だからちゃんと扱ってあげないと
E F#
Already knows
F# G#m
She’s seen her bad times
E F#
Already knows
F# G#m
These are the good times
C#m7 D#m7
Never sell out
D#m7 E
She never will
E F# F# F#
Not for a dollar bill
G#m
She works hard
自分がつらい思いをしてきた事など
もう分かっている
それでも良い時を過ごしてきたと
裏切る様なまねを
彼女は決してしない
1ドル札のためではない
彼女が身を粉にして働くのは
(interlude)
G#m F# C#m7 D#m7 G#m
She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So you better treat her right
Hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So you better treat her right (Alright)
稼ぐのに必死なんだよ
お金を求めて精一杯働いている彼女
だからちゃんと扱ってあげないと
お金のためにひた向きに
お金を求めて一生懸命なんだよ
お金のために精一杯働いている彼女
だからちゃんと扱ってあげないと(いい?)
She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So you better treat her right
She works hard for the money
So hard for it, honey
Like so hard for the money
So you better treat her right (Alright)
稼ぐのに必死なんだよ
お金を求めて精一杯働いている彼女
だからちゃんと扱ってあげないと
彼女はお金のためにひた向きに働いている
お金を求めて一生懸命
お金のために精一杯
だからちゃんと扱ってあげないと(いい?)
She works hard for the money
So hard for the money
She works hard for the money
So you better treat her right…
バース(Onetta there…)のシンセはもっとややこしいコードをシンコペで鳴らしている。
G#m F#/G# G#m F#/G#
Emaj7 F# G#m F#/G#
C#7sus4 C#7 D#sus4 D#7
G#m F# G#m… みたいなヤツ
ドナサマーはグラミー賞のパーティの夜、トイレで Onetta Johnson という名のアテンダント(清掃や備品補充を担当、利用者からチップを得る事もある)に遭遇。
‘She Works Hard For the Money’ was a huge hit for me and I wrote it primarily based on a person’s life and a set of circumstances that it came out of. I was at a Grammy party the night I wrote the song and I walked into the lady’s room and I saw a woman there. It taught me a lot about keeping my eyes open and paying attention to the things going on around me because that would be the source of a lot of information that would translate to other people and that they would be able to relate to. I think it really helped to change the way I write, so it was a pivotal song for me.
そして仕事に疲れ果てた様子の彼女から本作を着想した。
ただジャケ写に目をやるとそこには同じ労働者でもウェイトレス(に扮するサマー本人)。すると本作はウェイトレスの物語に転換してあるのかも知れない。
で、邦題の情熱物語ってのは妥当なのか。否、稼ぐのに必死という泥臭い主題をそのまま表題に据え、アルバム表題にも採用し、それを頭サビで高らかに歌う程に作者の思い入れがあるんだろうから第三者が勝手にキレーなタイトルに変換しちゃダメだろ。ってまあ、ジャケ写は可愛らしくしてあるけど…
その主人公の名オネタが唐突に現れるバース冒頭
Onetta there in the corner stands
あまり多い名前ではないし、また自動詞と副詞句の倒置した構文がややこしくて聞き取りにくいせいか I met her there… などといった苦し紛れの空耳詞もネット上に散見する。
で、わざわざテレコにしてあるのは後続のバースと脚韻 stands/hand を踏ませるための力技。この手の韻律詩の遺風は最近の歌にはあまり見ない気がする。
ネットに上がってる対訳を見たら構文把握が出来てなかった(他も所々おかしかったけど)。もしこれ読んで訂正するならちゃんと典拠を明示してね。ズルはダメよ。それから別の和訳サイトにここの対訳の語尾だけ変えて載せてる姑息な輩がいるのでここに警告しておく。つってもそんな奴はそもそも対訳しか見ねえだろうからこんなトコまで読まねえか。
Michael Jackson cracked the code in 1983 with his “Billie Jean” video; Summer’s “She Works Hard For The Money” followed a few months later, becoming one of the most popular videos on the network.
MTVは1981年の開局当初より黒人歌手のビデオを採用しなかったが(その悪弊をボウイは痛烈に批判していた)、83年のマイケルジャクソンの Billie Jean がその「カラーバリア」を破り、数ヶ月後にはサマーの本作のビデオも流され、彼女は黒人女性歌手として初のヘビーローテーションを得る事となった。
その影響もあったのだろう、本作は81年のオリビアニュートンジョンの Physical に取って代わってエアロビクス教室の定番曲となったそうな。
ところでそのビデオは公式からは出ていないのでここには貼らない。
↓遂に公開
ビデオのオネタは早朝から清掃員、ダイナーでウェイトレス、更には縫製工をも掛け持ち。子育てにも追われ、もうヘロヘロ。そりゃ大通りに出て踊りたくもなるわな。
さてここでちょっと噂の検証なんぞしてみたり…
河合奈保子 – UNバランス
本作発表の83年6月13日の3ヶ月後、9月14日に発表。
作曲:筒美京平/編曲:大村雅朗
コード構成はこんな感じ。
Am G Dm E7 Am
Am Fmaj7 Bm7-5 E7
Am Fmaj7 Dm E7
Am G Dm E7
Am G F Dm Bm7-5 E7
歌メロは全く異なるものの、アレンジは酷似していると言われる(キーは半音違い)。具体的にはメインテーマのリフとトランペットのリックの2点だろう。メインテーマは双方のイントロやサビの裏で鳴っており、またバースの終わりに被せるやり方も同じ。
筒美は元々作/編曲共にやる人で、この頃には別の編曲者を立ててはいるが、アイデアを出したりはしていたかも知れないので、本作のメインテーマとトランペットリックを流用した上で歌メロを構築していったというのも考えられはする。ただの邪推かも知れない。あ、邪推のへんとつくりを分解してくっつけると雅朗の雅になる(だからどーした)。
勿論クレジット通り全くの分業で大村が筒美の歌メロを基に編曲したのかも知れない。泉下の二人にしか知り得ぬ事ではある。
で、歌メロはダメだけど編曲なら訴えられはしないんだっけ?あ、いや Stairway to Heaven の訴訟はギターのアルペジオとコード進行を巡って提起されたものだったな。
何にせよ筆者はサマーのファンである以上に河合のファンだったから、ここに剽窃など無かったと断言しておく(贔屓目)。
ところでよく昭和のアイドル/歌姫の文脈で聖子明菜が取り沙汰されるが、河合の方が断然その二人より歌上手いだろ!(大興奮)
西城秀樹の妹なんだぜ!(無関係)
ジャッキーチェンもメロメロだったんだぜ!(今は中共にメロメロなんだぜ!いや籠絡されてるだけか)
ではここでスケープゴートを放っておく(そこまでして…)。
Bonnie Tyler – Holding Out For A Hero
更に4ヶ月後の84年1月31日発表。
スクールウォーズも共犯だな(無理筋)。
2:50の間奏のトランペットも似てるし…
あ、
河合奈保子 – 唇のプライバシー
頭のトランペット… (藪蛇、くやしーです)
更に7ヶ月後の84年8月28日発表。
編曲:鷺巣詩郎
でもやっぱ一番衝撃だったのはこれ(しつこくスケープゴート2匹目)。
中森明菜 – サザン・ウインド
編曲:瀬尾一三
0:06 2:56
これ初めて聞いた時は「あ、やっとる!」って心の中で叫んだもん。Yes のアレ。
せっかく全編ダイナミックなアレンジなのにこの流用で自身のオリジナリティに瑕を付けてしまっている。
あ、ドナサマー関係なくなっちゃった。
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