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歌詞和訳 Sting – Englishman In New York コード

1980s

87年発表の第2作アルバム …Nothing Like the Sun 所収。
シングルとして発表された88年に欧州諸国ではヒットするものの英米ではあまり売れず。
90年のリミックスが英国で15位と、そこそこヒット。

Englishman In New York

(Sting)

Em A Bm A
I don’t drink coffee I take tea my dear
I like my toast done on the side
And you can hear it in my accent when I talk
I’m an Englishman in New York
See me walking down Fifth Avenue
A walking cane here at my side
I take it everywhere I walk
I’m an Englishman in New York
コーヒーは飲まない、僕は紅茶なんだ
トーストは片面焼きが好きだし
そもそも話すアクセントで分かるでしょ
僕は英国人、ニューヨークにいるけど
五番街を歩いてく僕を見かけるでしょ
こんな感じで傍らに杖を突いて
どこを歩くにもこれは持ってくんだ
ニューヨークにいても英国人だからね

(chorus)
Em A Bm
I’m an alien, I’m a legal alien
I’m an Englishman in New York
I’m an alien, I’m a legal alien
I’m an Englishman in New York
僕は異邦人、法的には外国人
ニューヨークの英国人
僕は異邦人、合法外国人
ニューヨークの英国人

(verse 2)
If “manners maketh man” as someone said
He’s the hero of the day
Takes a man to suffer ignorance and smile
Be yourself no matter what they say
誰かが言った通り「礼節が人を作る」ならば
彼は時の英雄さ
一人前になるには無知な振る舞いに耐え
微笑んでやり過ごす事も必要
何と言われようと自分らしさを失わないで

→(chorus)

D A
Modesty, propriety can lead to notoriety
Bm F#
You could end up as the only one
G A
Gentleness, sobriety are rare in this society
F#7 Bm
At night a candle’s brighter than the sun
謙虚に行儀良くしてたって悪評を買う事もある
バカ正直なのは自分一人だけかも知れない
優しさや真面目さには中々お目にかかれない
夜の明かりが太陽より明るいこの社会では

Takes more than combat gear to make a man
Takes more than a license for a gun
Confront your enemies, avoid them when you can
A gentleman will walk but never run
武装したところで一人前になんかなれない
銃のライセンスだって通用しない
敵と対峙しても、出来れば避けた方がいい
紳士たる者はゆっくり歩くもの
あわてて走ったりなど決してしない

→(verse 2)(chorus)

sting.com を参照しながら筆を進めます。

ビデオにも登場しているこの歌のモデルは、作者スティングが敬愛した、ゲイの英国人文筆家クエンティンクリスプ。
彼は今より遥かに酷い同性愛者差別に対しても自分らしさを毅然と保ち続けた。
スティングはクリスプを a hero in a feminine way と形容し、その勇者振りを大絶賛している。

全体的にはレゲエの曲調。
ブリッジ(ミドルエイト)にバッハっぽいオスティナート(執拗反復)を挿入。
間奏はジャズで、それに続くうるさいドラムはヒップホップを意識した。
これらはNYの多様な(音楽)文化を表現しようとしたもの。

If You Love Somebody Set Them Free と全く同じコード(exactly the same chords)を使っている。
???
作者本人がそう言うのだが、そもそもキーからして全く違う… どーゆー事?
ブリッジ部分も全く別物…

それから God Save The Queen をマイナーに転じて流用しているとの事だが、これもどこなのかさっぱり…
ま、誰もこれに気付かないのを本人も楽しんでいたそうな。
一応貼っておきますので、類似にお気づきの方はご教示を。

まさかピストルズの方じゃないよなあ…

では語句について…

legal alien は、合法外国人。
不法入国者の問題は米国の恒久的課題。
ただそもそも米国自体が melting pot(人種のるつぼ)と称される移民の国で、NYはその最たる街と言える。だから邦人外人の区別もヘッタクレも本当は(少なくとも文化的には)無い筈で、況してスティングは(アクセントは違えど同じ言語の)英語話者なのに、それでも場違いに感じる場面が多かったと吐露している。
ならばこの言葉は、法の合不合に言及しているというより寧ろ、法的には(この国の決まり事としては)やはり邦人とは区別されるべき外国人を指している、と取るべきだろう。
因に米国における alien の法的定義は、
any person not a citizen or national of the United States

少し戻って、talk, walk と York は、(厳密には)英国英語発音でこそ同韻語に成り得る。
スティングは英米(人)の差異をこんな押韻にも表現してみたのかも知れない。

manners maketh man
この maketh は調べたら「古英語の make の直説法現在三人称単数形」との事だが、manners は複数では?
(んー、何だか不可解な事が続いて spirited away な感じだ…)
さっきの York は脚韻だが、こっちは頭韻(m)を踏んだ諺。
引用符が付されているので、始めはこの言葉自体を揶揄しているのかとも考えたが、どうやら manners(礼節)を美徳として扱っている様だ(つまりは当たり前の肯定的な意味)。
どうもひねくれた解釈に走ってしまう…
でも私は悪くない。皮肉屋の作者スティングが悪いんです。

ignorance は「無知、無学」だが、その無知蒙昧に起因する厚顔な言動(誹謗やら嘲笑)をもその意に含めているのだろう。

バッハのブリッジからも manners を肯定しているのは明らかだった。
modesty = 謙遜、つましさ、しとやかさ
propriety = 礼儀作法
notoriety = 悪名
sobriety = 真面目

スティングはつまりクリスプを、これらの美徳を備えた、しかも悪評なぞ意に介さぬ、本当の gentleman だと言っているのだろう。そして、本人もそうありたいと。

多様性(とそれへの理解)が歌の主眼だろうと勝手に思い込み、ならばきっとそれを示す為の周囲への皮肉めいたものがどこかにあるのだろうと、探してしまっていた。
しかし、斜からではなく真正面から切り込んだ歌だった。
自分らしい真面目さを貫き通す、毅然たるどっしりとした態度が肝心だと歌っている(never run が意味するのはこの事か)。
言わばまっすぐな歌だったのです(当たり前だろ、と言われりゃそれまで)。
少なくとも私が gentleman じゃないって事は分かりました。

コメント

  1. HidenoriNoguchi より:

    遅レス失礼します。
    Sting再考をしていてたまたまこのブログが目に入りました。

    If You Love Somebody Set Them Freeとキーの解釈が違うだけで進行はほぼ同じです。
    Aメロからサビくらいまでは、多少音が当りますが大体そのままEnglishman~が歌えると思います。

    God Save The Queenはブリッジ~間奏あたりまで進行が引用されている感じです。

    全部ルート音だけを追っていけば8割くらい(ひょっとしたら全部)Englishman~の構成音です。

    • deni より:

      HidenoriNoguchiさん ご教示下さりありがとうございます

      1音移調すれば進行に互換性があるという事なんですね。「全く同じ」にとらわれてしまっていました。
      ただ God Save The Queen の方はやはりピンと来ないというか、そもそもどれがブリッジなのかすら分かりません…
      動画は音が出ていなかったので差し替えました。