66年発表のデビューシングル。米1位、英23位を記録。
Last Train to Clarksville
(Tommy Boyce and Bobby Hart)
And I’ll meet you at the station
You can be here by four thirty
‘Cause I made your reservation
Don’t be slow
C
Oh, no, no, no! oh, no, no, no! G
そしたら駅まで迎えに行くから
4時半には着けるだろ
予約はしてあるから
ぐずぐずしないでね
絶対、急ぐんだよ
And I must see you again
We’ll have one more night together
‘Til the morning brings my train
And I must go
C
Oh, no, no, no! oh, no, no, no! G
D G
And I don’t know if I’m ever coming home
どうしてもまた君に会いたいから
もう一晩、一緒に過ごそうよ
僕の乗る列車が来る
出発の朝まで
ああ
もう戻って来れるかどうかも分からないんだ
I’ll be waiting at the station
We’ll have time for coffee flavored kisses
And a bit of conversation
Oh, no, no, no! oh, no, no, no!
駅で待ってるから
コーヒー味のキスをして
ちょっとおしゃべりもしよう
ああ
(interlude on G C G C x2)
Now I must hang up the phone
I can’t hear you in this noisy railroad station
All alone, I’m feelin’ low
Oh, no, no, no! oh, no, no, no!
And I don’t know if I’m ever coming home
もう電話を切らなきゃ
こんな騒がしい駅じゃ君の声も聞き取れない
一人ぼっちで寂しいよ
ああ、もう嫌だ
もう戻って来れるかどうかも分からないんだ
And I’ll meet you at the station
You can be here by four thirty
‘Cause I made your reservation
Don’t be slow
Oh, no, no, no! oh, no, no, no!
And I don’t know if I’m ever coming home
そしたら駅まで迎えに行くから
4時半には着けるはず
予約もしてあるんだ
急いでね
絶対だよ、絶対
もう戻って来れるかどうかも分からないんだ
絶対…
ラジオで流れていたビートルズの Paperback Writer の終わりの部分の歌詞を take the last train と聞き違えた作者が、真実を知った後に、その気に入っていたラインを好都合とばかりに自作品の冒頭にそのまま使った。
空耳を転じて福とした形だけど、曲の方もちゃっかりビートルズを参考にしたそうな。
Clarksville はテネシー州にある町… だけど作者は既知の Clarksdale という地名をまず思い浮かべ、響きが良いという理由で Clarksville に変更した。尤も作者は変更後の町についてはその名前の響きしか知らなかったらしい。
ところが、この実在の町が州境向こうの空挺師団駐屯地に程近い事から、また折からのベトナム戦争も手伝い、この歌が兵役の為に故郷 Clarksville を後にする主人公と彼の恋人との惜別の場面を描写したものとの憶測が飛び交う。
And I don’t know if I’m ever coming home
もう戻って来るかどうかも分からないんだ
独り言っぽくも聞こえる、意味ありげに最後にボソッと言い足された様なこのラインは、真意真相がどうあれ、彼が戦地に赴く事を想像させるに十分と言える。
ただまあ私も調べるまでは駐屯地の事なんか知らんかったんで、男女のフツーの別れのシーンしか思い浮かべられませんでしたが。
I’ll meet you at the station
これを、駅で会う、とやってもそうマズくはないだろうけど、駅まで迎えに行く、或は、駅に出迎える、と訳出した方が正確だろう。
I made your reservation
恋人が乗る終列車の指定席を押さえた、とも取れるし、駅近くの宿の一室を予約した、とも取れる。
And a bit of conversation の所は字足らずに聞こえるので、
And a little bit of conversation とでもやれば良かったのに(大きなお世話)。
Now I must hang up the phone
I can’t hear you in this noisy railroad station
ここで初めて、主人公がいるのはクラークスビル駅で、そこにある公衆電話を使って恋人と話をしている事が窺える(無論当時はケータイなんぞ無い)。
すると、宿を取っているならそこから電話しそうなものだから、reservation は列車の指定席の予約と考えるのが妥当か。
そして更に想像すれば、彼が彼女と最後の一夜を過ごそうと思っているのは、電話も引いていない安アパートの自室。
これも勝手な想像ながら、受話器を置かざるを得なかったのは、駅の喧騒のせいもあったろうが、手持ちの小銭が切れてしまったからなのだろう。
そしてその喧騒ゆえ、余計に彼は孤独と焦燥を募らせる。
何にせよ、きちんと約束を交わす事は出来なかったと見える。
さて彼女は終列車に乗ったのだろうか、という疑問を聴き手に余韻として残しながら、もはや彼女に話し掛けているのか一人で喚いているのかすら判別し難い主人公の切なる叫びのリフレインをよそに、曲は淡々粛々と、そして無情にも明るい曲調のまま、フェイドアウトして行く…
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