1993年発表の第7作アルバム Duran Duran (The Wedding Album) 所収。英6位、米3位を記録したヒットシングル。
Ordinary World
(Duran Duran)
B F#m7 Dadd9 Aadd9/C# Aadd9/C
Thought I heard you talking softly
I turned on the lights, the TV and the radio
Still I can’t escape the ghost of you
気のせいか君が優しく話すのが聞こえた
灯りを点け、テレビとラジオもつけた
それでも君の影から逃れられない
G#m
Crazy, some’d say
D#7 E
Where is the life that I recognize?
E
Gone away
おかしな奴だ、と言う者もいるだろう
納得できる日々はどこにある?
それは去ってしまった
F#m7 Dadd9
There’s an ordinary world
Dadd9 Aadd9/C# E
Somehow I have to find
B F#m7
And as I try to make my way
F#m7 Dadd9
To the ordinary world
Dadd9 Aadd9/C# Aadd9/C
I will learn to survive
何とか見つけ出さねばならぬ
普通の世界というものがあるから
そしてその普通の世界に
辿り着こうとする中で
生き延びる術を身に付けるのだろう
C#m7 C#m6 C#m C#add9 E F#7
“Pride will tear us both apart”
Well now pride’s gone out the window cross the rooftops, run away
Left me in the vacuum of my heart
「僕らを引き裂くのはプライド」
でも今やそのプライドも窓から屋根を越えて出て行った
僕に空っぽの心を残して
Crazy, some’d say
Where is my friend when I need you most?
Gone away
おかしな奴だ、と言う者もいるだろう
一番必要な時なのに僕の友はどこ?
去ってしまった
There’s an ordinary world
Somehow I have to find
And as I try to make my way
To the ordinary world
I will learn to survive E
何とか見つけ出さねばならぬ
普通の世界というものがあるから
そしてその普通の世界に
辿り着こうとする中で
生き延びる術を身に付けるのだろう
(guitar solo)
B F#m7 Dadd9 Aadd9/C# E
B F#m7 Dadd9 Aadd9/C# Aadd9/C
Feared today, forgot tomorrow
Here besides the news of holy war and holy need
C#m E
Ours is just a little sorrowed talk
今日恐れていた事も明日には忘れてしまう
更には聖戦や貧困のニュースまでも
僕らのなんてただのちっぽけな不幸話
There’s an ordinary world
Somehow I have to find
And as I try to make my way
To the ordinary world
I will learn to survive E
何とか見つけ出さねばならない
普通の世界というものがあるから
そしてその普通の世界に
辿り着こうとする中で
生き延びる術を身に付けるのだろう
A E
(I will learn to survive)
Any world is my world
(I will learn to survive)
Any world is my world
(生き延びる術を身に付けよう)
いかなる世界も自分の世界
(生きていくんだ)
どれも自分の世界
サイモンルボンの幼馴染の死が作詞のモチーフになっている。
ordinary ↔ special
特別な存在だった友人の喪失が彼に「普通の世界」を模索させる。
死別に限らず、大事な人を失った多くのリスナーの琴線に触れ、また指針を与えた。
本作は、本国のみならずオルタナ旋風吹き荒れる最中の米国でヒットした事に大きな意義があったと思う。
ordinary という言葉を以って、擡頭したカウンターカルチャーへの更なるカウンターを十年選手の Duran Duran が突き付けた様に当時(勝手に)感じていたが、ひょっとしたらそんな意気込みも(長らくヒットシングルから遠ざかっていた)彼らには本当にあったのかも知れないと今でも思う。辞書的には alternative の対義語は ordinary ではないけど。
suffering and grief
suffering and greed(貪欲)という詞も流布するが grief と聞こえる。
AllMusic のレビュー
Simon LeBon’s vocal restrains the showy theatrics he deploys on the group’s dance-oriented material in favor of a delivery that is rich in emotion but tastefully restrained. The result was a ballad that was powerful enough for young listeners but deep enough for older listeners and this duality made “Ordinary World” a natural hit.
ルボンのボーカルがこのグループのダンス曲で聞かせる、派手な芝居がかったわざとらしさは抑えられており、それが感情豊かにして味わい深く控えめな歌いっぷりを産んでいる。結果として出来上がったバラードは若いリスナーにとっても十分パワフルだったが、古くからのリスナーにも十分深いものとなり、この二面性により本作は当たり前にヒットした。
tastefully restrained (味わい深いまでに抑制された)という評はよく言い得ており大いに賛同するが、「ダンス曲でのわざとらしさ」とは全く浅い見立てだ。
ルボンの歌声には常に(心地良い)憂いがある。それは Save A Prayer 等のバラードに限らず、Hungry Like The Wolf の様な長調の dance-oriented material にも認められる。
本作の歌いっぷりに抑えが効いている様に感じられるのは、それが静かな曲だからというわけではない。ルボンは全く以って平常運転。
彼は例えばボウイみたいなボーカルカメレオンではなく言わば一本調子だが、それが却って彼のイノセンスを伝え、(ダンス曲を含む)全ての曲に滋味を与える。
生き方の模索がテーマの本作では、彼のそんな歌声は真摯な態度として聴き手に届く。その気持ち良さこそが natural hit の要因だろう。
Ordinary World と Come Undone は Duran Duran 中興の2曲。
The Wild Boys を無味に感じ Notorious で殆どバンドへの興味を失っていた私にとって本作は全く ordinary な Duran 曲であり、また何年振りかの福音でもあった。それは古くからの、そして少し忠義を欠いていた他の多くのファンにとっても同じだったろうと思う。
追記
HYDE
対訳をまんまコピペしてここのコメント欄に載せてる奴がいるんでやんの…
このベースに打ってあるのが fanned-fret (扇状フレット)って奴か。
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