2015年12月に大麻で逮捕、起訴された末期癌患者が2016年7月25日、肝臓がんで死んだ。
山本正光、享年58。
別項で取り上げた矢先だった。
彼は従来の「合法」治療を当たるも甲斐無く、最後の最後に大麻なる薬草に行き着いた。
そしてその独自の養生は奏功した。身体的苦痛を軽減するのみならず、死を強烈に意識せねばならぬ彼の気も楽にしてくれた。
ところがその露命を繋ぐ窮余の策は「違法」だった。よって当局は彼を逮捕。
どうやら我が国の法には国民の命に優先するものがあるらしい。
死の直前まで医療用の麻薬系鎮痛剤を使った緩和ケアがなされていたと言う。
それがモルヒネなのか何なのかは知り得ないが無論大麻ではなかろう。
これも無論担当医は彼に対し最善の処置を施しては来ただろう。ただ、法を度外視し、医療更には救命の観点からのみ考えた時にもやはりそれが最善だと思えたのだろうか。その鎮痛剤の投与は彼にとって大麻よりも苦痛を緩和し得るものだったのだろうか。是非訊いてみたい。
彼の歯痒さ不如意無念は察するに余りある。
遅きに失しているがせめて立法者に優先順位の再考を促す契機たらん事を。
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