68年発表の2枚組アルバム Wheels of Fire の開始曲。英26位、米6位のヒットシングル。
White Room
(Jack Bruce, Pete Brown)
Am
Dm C9 G Bb C
near the station
Blackroof country, no gold pavements,
tired starlings
Silver horses, run down moonbeams
in your dark eyes
Dawnlight smiles on you leaving,
my contentment
掛かった白い部屋
黒い屋根の連なる田舎町にはろくな道も無い
くたびれたムクドリ達
銀の馬、か弱い月光
君の暗い瞳の中
去り際の君に暁光が微笑む
僕の幸せ
Bb A7
where the sun never shines
C G
Wait in this place
Bb C D
where the shadows run from themselves
僕は待つ
影が動き出すこの場所で
待っている
at the station
Platform ticket, restless diesels,
goodbye windows
I walked into such a sad time
at the station
As I walked out, felt my own need
just beginning
どんな絆があっても安心できないと
駅の入場券、せわしないディーゼル音
別れの車窓
僕は駅でとても
悲しい時へと踏み込んだ
そこから抜け出ると、自分に必要な事が
ちょうど始まったと感じた
when the trains come back
Lie with you
where the shadows run from themselves
列に並んで僕は待ってるさ
影が動き出すこの場所で
君と寝転がろう
Gm F Dm C Gm F Dm C Am
in the hard crowd
Consolation for the old wound
now forgotten
Yellow tigers crouched in jungles
in her dark eyes
She’s just dressing, goodbye windows,
tired starlings
彼女は優しさそのものだった
今や忘れ去られた
古傷の癒し
彼女の暗い瞳の中のジャングルで
飛びかからんと身をかがめた黄色い虎
めかした彼女、別れの車窓、
くたびれたムクドリ達
with the lonely crowd
Lie in the dark
where the shadows run from themselves
孤独な群衆と共に眠りにつく
影が動き出すこの場所で
暗闇に横たわる
ジャックブルースが先に曲を書いており、共作者の詩人ピートブラウンが自身の詩をその節に合う様に調整しながら当てていった。
そのせいかは分からぬが押韻が殆ど無く(queue, you くらいか)、やはり歌詞(lyrics)というよりは詩(poem)の様に感じる。
独立した名詞句と思しき箇所など、構文が不明なラインもあるので、こういうのは自由詩と呼ぶべきものなのか。
ただきっと細かい符割りは作曲者歌唱者たるブルースがやったのだろうが、run from themselves の所などは字足らずの様な、間延びしている様な…
そんな風に感じてしまうが、勿論意図的にやったものかも知れない。
本来は活発なムクドリがくたびれているというのは、戦場で疲弊した兵士を暗示していると見なす向きもあり、つまりこれはベトナム戦争の歌だとする解釈がある。
I’ll sleep in this place with the lonely crowd
孤独な群衆とここで眠りにつく
このラインもそんな見方を支持する材料にはなる。
ま、世が世だけに、この手の解釈は(後世の者に)されがちではある。
一方、コカインによる酩酊状態を表現しているという見方もある(ま、これも時代か)。
で、私の解釈はと言うと…
よく分かりません…
5拍のイントロは暗澹とした印象でもあり、希望の光が射す様でもある。
表題でもある white room は何かのメタファーだろうが、その部屋には正反対の色の black curtains が掛かっている。
更には、silver horses や yellow tigers などの、同じく色を冠した生き物が登場。
station は(出会いと)別れの場の象徴で、goodbye windows は正にその別れの瞬間を切り取った描写ではあろうが。
人称代名詞が you から唐突に she に変わるのは、(男女の)関係が完全に断絶した様を物語っているのだろうか(同一人物だと見なした場合)。
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