2013年、スコットワイランドの解雇とバンド名の使用を巡るメンバー間の争いは一旦法廷に持ち込まれるも後に示談で決着。晴れてリンキンパークのチェスターベニントンをフロントマンに迎えた Stone Temple Pilots は合法的に再始動し、High Rise なるEPを発表(EPジャケットには小さく with Chester Bennington と付記)。
本作はそのEPの開始曲。
Out of Time
(Chester Bennington, Dean DeLeo, Robert DeLeo, Eric Kretz)
Longing is the animal inside you when you bleed
Suffering is critical in finding what you need
Deliverance is evidence there’s more than what you say
Pain is there the moment that you wake up from your dreams
憧れは、心を痛めた時、内に現れる獣である
苦悩は、必要なものを見つけ出す上で、重大となる
解脱は、口に出す以上のものが存在する証左である
苦痛は、夢から覚めた瞬間に現れる
Oh, I know you can’t tithe
Oh, when you look inside yourself
You’ve got to cross that line
Yeah, you’re running out of time
ああ、受け入れられないのは分かるけど
ああ、自分の内側を見つめて
その一線は越えなきゃね
だって、もう時間は無くなってきてるんだから
Loneliness is beautiful, it leads you home again
Happiness is overrated, joy is infinite
Liberate the hate you feel before it’s permanent
Smile when it hurts, it works like mother’s medicine
孤独は美しい、再び家に導いてくれるもの
幸せというものは買い被られている、喜びは無限なり
憎しみを感じたなら、それが定着する前に解放すべし
苦しい時には笑いなさい、母の薬の様によく効くから
Oh, I know you can’t tithe
Oh, when you look inside yourself
You’ve got to cross that line
Yeah, you’re running out of time
受け入れられないだろうけど
自分の内側を見つめて
一歩踏み出さなきゃ
だって、もう時間は無いんだから
You’ve got to learn your lesson to see what you’ve been missing
You’ve got to cross that line
自分に欠けてるものが分かるよう、学ばないとね
その一線は越えるんだよ
Yeah, you’ve got to look inside
Yeah, it’s time that you decide
Yeah, you’ve got to cross that line
Yeah, you’re running out of time
そう、自分の内側を見つめて
もう決める時さ
そう、その一線は越えなきゃならない
だって、もう時間は無いんだから
言葉の主観的定義の列挙とも言うべきバース部分の詞は、A is B の体裁にしてその実、構文や語の接続は多様で、そのまま高校の英文法教科書に載っていてもおかしくない、まるで良質な例文。
なもんだから滅多に対訳に使わない「である」なんていう鹿爪らしい言い回しを文末に据えたりして。
ただこんな分別臭い詞でもハードロッカーに乗せる事でかなり脱臭されて耳に届くので、実は真面目で堅苦しいその詞の中身も却ってすんなり心にまで浸透する(気がする)。
ロバートデリオなんかはその辺の事、ちゃーんと考えて詞を節に乗せて(或はその逆)いるんじゃないかなあ。アンバランスの妙と言うか。これは第3作アルバムのスカしたポップな感じとも関係する(気がする)。
でも実は私が知らないだけで格言集みたいなのからのパクリだったりして(邪推)。有名な詩人の言葉の引用とか(オスカーワイルド?)。
tithe = 認める(= concede)
ここは take(受け入れる)でいいのに脚韻の便宜上こんなややこしい語を持ち出している。
2013-5-18 初お目見えの KROQ Weenie Roast のバックステージインタビュー
法廷闘争を経た現状を、インタビュアー2人を含めた6人が半笑いで(ワイランドの名は出さずに)語り合っている。
ロバートデリオを始め、メンバーが新フロントマンを立てているのが窺え、また、そのベニントンの真面目さもよく伝わってくる。
2013-11-1 Hard Rock Live
ベニントンがワイランド節で歌っていると言われる事も多いが、よく考えたらこれはSTP節に過ぎない。
勿論ベニントン本人もワイランドを意識してはいるだろうが。
それにしてもディーンデリオのギターはソロも含めていい音だ。
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