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歌詞和訳 The Doors – Break On Through (To the Other Side) コード

1960s

67年に発表した、バンドと同名のデビューアルバムの開始曲。

Break On Through (To the Other Side)

(Morrison, Krieger, Manzarek, Densmore)

Em
You know the day destroys the night
Night divides the day
D
Tried to run
Tried to hide
Em D
Break on through to the other side
Break on through to the other side
Break on through to the other side, yeah
そう、日は夜を葬り去り
夜は日を分かつ
逃げようともしたし
隠れようともした
あっち側へ突き進め

We chased our pleasures here
Dug our treasures there
But can you still recall
The time we cried
Break on through to the other side
Break on through to the other side
こっちで喜びを追い求めては
あっちで宝を掘り当てた
でも涙に濡れた時を
今でも思い出せるかい
向こう側へと突っ込め

Yeah! C’mon, yeah!

Em
Everybody loves my baby
Everybody loves my baby
She get(s high)
She get(s high)
She get(s high)
She get(s high)
みんな俺の恋人が大好き
みんな彼女を愛してる
彼女はハイになるから
彼女はハイになる
ハイになる
ハイになる

I found an island in your arms
Country in your eyes
Arms that chain
Eyes that lie
Break on through to the other side
Break on through to the other side
Break on through, oww! oh, yeah!
腕に孤島を抱くお前
目の中には国家が見える
動きを封じる腕
嘘をつく目
あっちまで突っ切れ

Made the scene
Week to week
Day to day
Hour to hour
The gate is strait
Deep and wide
Break on through to the other side
Break on through to the other side
Break on through, Break on through
Break on through, Break on through
Yeah, yeah, yeah, yeah
Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah
名は売った
毎週毎週
来る日も来る日も
いつの時も
門は狭いが
その先は長く大きく広がっている
向こうへ突っ込め

シングルとしてはヒットせず(個人的にはドアーズの中で本作が一番シビレるが)。
コードはたったの二つ。
イントロとバースのベースラインとドラムのリムクリックがボサノバ風。
とは言え当時の米国人はボサノバに馴染みが無く、そのリズムは新鮮だったそうな。

イギリスの詩人ウィリアムブレイクの詩の一節

If the doors of perception were cleansed
everything would appear to man as it is: infinite
知覚の扉が清められていれば
物事はありのままに見える筈、遮るものも無く

この一部を引用した The Doors of Perception という、薬物による幻覚体験について書かれた本からバンド名は付けられた。

本作自体もドラッグソングと見なされた為、high の部分はレーベルにより削除された(因に当時の米国は民主党ジョンソン政権下)。

しかし公演では最後のラインを She gets… high, yeah! などとジムモソンはっきり歌っている。

ここではレイマンザレクが get higher とやっている。

break through は、切り抜ける、の意。
(日本語で言う「ブレイク(大躍進)」は恐らくこれの名詞形 breakthrough から出来た言葉)
これに継続を表す副詞 on を挟んでいるので、突破するまでやり続ける、という意味になる。
ドラッグソングか否かはさて置き、本作の主題はこの表題の通り、現状からの脱却の呼び掛けだろう。
曰く、Dug our treasures there あっちには宝が眠っていた

arms that chain (束縛する腕)とは自制心の事で、それを働かせるものは法などの社会規範。
そして規範に仕切られた場所が island(島)や country(国)。
そんな外からの規制に甘んじる者の目は嘘をついていると喝破。
束縛を断ち切り欺瞞を捨て去り、知覚を研ぎ澄ましてあっち側へ突き抜けろと訴え掛ける。

だから突き抜けて high になった俺の恋人は皆の羨望の的となる。
Everybody loves my baby

gate は、彼らの意味する door と同じ。あっち側への入り口。
その先は Deep and wide つまりウィリアムブレイクの言う infinite(無限)。万能の知覚。

扇動的な内容でありながらモリソンの歌いっぷりは情熱を自身の内に向けているかの様。それが結果的に説得力を増す。カリスマ性というのはこんな所にこそ生じるものだろうか。

the other side は、色んな非日常的想像を掻き立てる、言わば便利な言葉だからか歌詞によく使われる。

エアロスミス

アンルイス

go to the other side とやれば「死ぬ」の婉曲表現。
日本語の「界する」に対応するだろうか。

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