1970年の第4作アルバム In Rock の販促の為に録音された、アルバム未収録のシングル。
英2位を記録するDP最大のヒットシングルとなり、同アルバムの売上にも寄与したらしいので、販売戦略上も成功だったのだろう。
日本でも人気の、DPの代表曲の一つ。
Black Night
(Blackmore, Gillan, Glover, Lord, Paice)
Em
I don’t feel so bright
Em
I don’t care to sit tight
Em F#m
Maybe I’ll find on the way down the line
A G Em
That I’m free, free to be me
A G B
Black night is a long way from home
どうも冴えない
じっとしているのは構わないけど
たぶん時が経てばいつか自分が
自由で自分らしいと感じられるだろう
闇の中じゃ全く落ち着かない
I don’t want a rough sea
I can’t feel, I can’t see
Maybe I’ll find on the way down the line
That I’m free, free to be me
Black night is a long way from home
艱難もご免だ
何も感じない、見えない
でも少し行った別の所なら
自由を実感できるかも知れない
闇の中じゃ気が休まらない
I don’t need black night
I can’t see dark light
Maybe I’ll find on the way down the line
That I’m free, free to be me
Black night is a long way from home
まっぴらだ
薄明かりすら見えない
でもたぶんいつか
自由になれるだろう
まったく、家が恋しいよ
レーベルとマネジメントからの圧力で作られた歌だから詞に意味は無いとか間に合わせなどと評価される事もあるが、In Rock 収録の Child In Time 同様、冷戦か、端的にはその代理戦争たるベトナム戦争を扱ったもの、或は当時の厭戦の雰囲気を表しているもの、だと思う。あっちに bullets(弾丸)など示唆的な言葉が登場するのに対し、やはりこっちは更に婉曲ではあるが。
闇夜は戦地での閉塞感の隠喩と取れる。戦地で敵を殺すには自身を狂気で満たさなければならない。しかしその狂気を持続させるのも難しく、ふと正気に戻ると not right (何かおかしい、しっくり来ない)と感じてしまう。兵士の葛藤逡巡。
down the line[road] には、いつか将来、と、この道の向こうに、という時空二様の意味があるので双方を対訳に付した。
a long way from home は本作中、戦地について一番示唆的ではある。
dark tree は、新約聖書に現れる、(悪徳としての)富を象徴する Mammon という植物。
worshiper of Mammon = 拝金主義者
I can’t feel, I can’t see は、狂気と正気の狭間でまともな判断力を欠いている様子。
以上の如く、戦地で生存への一縷の望みを持ち続ける兵士の心象風景の歌… だと思うんだけどなあ…
本人達も認める元ネタ
大元はガーシュウィンのアリア。2万5千通り以上のカバーがあるそうな(誰が数えた)。
こっちは関連を否定
否定し切れぬ程リフは酷似しているが、それでもDPが否定するのは歌とユニゾンじゃないから?
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