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歌詞和訳 Aerosmith – Dream On

1970s

73年に発表した、バンドと同名のデビューアルバム Aerosmith の3曲目。
米59位(73年)、6位(76年再発時)のヒットシングル。

Dream On

(Steven Tyler)

Everytime that I look in the mirror
All these lines on my face getting clearer
The past is gone
It went by like dusk to dawn
Isn’t that the way
Everybody’s got the dues in life to pay
鏡を見る度に
顔の皺は益々くっきりと見える
時は過ぎ去った
寝る間に夜が明けるが如く
それが摂理というものじゃないか
生きていくには誰にも払うべき代償がある

I know nobody knows
Where it comes and where it goes
I know it’s everybody’s sin
You got to lose to know how to win
その来し方行く末は誰にも分からない
そんなの知ってるさ
誰しもが負う原罪 それだって知ってる
勝ち方を知るには
負けを思い知らなきゃならないって事

Half my life’s in book’s written pages
Live and learn from fools and from sages
You know it’s true
All the things come back to you
人生の半分は筋書きが決まってる
でも残りは愚者からも賢者からも自ら学ぶんだ
そうだろ
全ては因果応報

(chorus)
Sing with me, sing for the year
Sing for the laughter and sing for the tear
Sing with me, if just for today
Maybe tomorrow the good Lord’ll take you away
(x2)
俺と歌ってくれ、しばらくの間
楽しみの為に そして悲しみの為に
俺と歌ってくれ、今日限りでもいい
だって明日になれば大いなる主に召されるかも知れないんだ

Dream on, dream on, dream on
Dream until your dream come true
Dream on, dream on, dream on
Dream until your dream come true
夢を諦めないでくれ
叶うまで
見続けてくれ
きっと叶うから

Dream on, dream on (x3)
Dream on, oh
ずっと夢を…

→(chorus)

本作はパワーバラッドなる範疇に属するそうだが、そんな言葉は当時、少なくとも日本には無かっただろう。
この言葉に余り良いイメージを持たぬが、それは彼ら最大のヒットシングル I Don’t Want to Miss a Thing のせい。
一聴して好き嫌い以前に売れそうだなと思ったのを覚えている。で、クレジットを見ると、共作ですらなく、外部作家の曲。
売れりゃ何でもええんかいと思ったものでした。
Steven Tyler の歌い手としての力量が縦横に遺憾無く発揮されてはいるのだろうが。

さて、この彼らのクラシックたる本作、確かにパワーバラッドなのかも知れない。
ただ、タイラーの様な技量を持つ歌い手がその気になれば、どんな静かな曲でもパワーバラッドになり得るのかも。
だから歌の分類の一範疇というより、歌い手(演者)の歌唱(演奏)に負うところが大きいだろうし、それがまんまパワーバラッドの定義だと言っても強ち的を失してはいまい。

面白い事に、これはアルバムの中で唯一、自身の本当の声で歌った曲だと本人が述懐している。
デビュー当時タイラーは地声に自信が無かった(U2 のボノなども同様の事を言っている)ので、アルバムの他の曲はソウルシンガーっぽい声を意識して歌ったらしい。意外。

そのタイラーの完成されてない絶叫歌唱が最後に聞けます。
後年のそれに比べりゃショボさが否めないけど(当然エフェクトやミックスにも因る)、これが原点。
ギターもよくこのテイクを採用したなって位へなちょこだけど生々しくっていい。
映画主題歌の完パケより遥かにこっちの方が切実に耳に届いて来る。

dream on は命令形。on は継続を表す副詞。
他には例えば move on なら、どんどん進む。こんな事にばっかこだわってないで次に移ろう、なんて時にも言います。

dusk to dawn は、たそがれから夜明け。
ここでは、寝ている間に、知らぬ間に時が過ぎる、という含意がある。
逆にして from dawn to dusk なら、朝から晩まで。頭韻(d)を踏んだ慣用句。
我々が気にするのは主に語呂だが、彼ら英語話者は他にも、
from the cradle to the grave = from the womb to the tomb = 生まれてから死ぬまで
などと、韻が好きな様です。

sin や Lord が出て来るが、私はタイラーの信心については知りません。
因果応報などという凡そ仏教的な言葉を使ったが、ここの訳語としては適当かと。

主(神)に召されるというのは死の婉曲表現なのか。
だとするとこの切実な思いを一体誰に向けて歌った歌なのだろうか…

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