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歌詞和訳 U2 – One コード

1990s

1991年発表の第7作アルバム Achtung Baby 所収。翌92年に英7位、米10位を記録したヒットシングル。

One

(Bono / U2)

Am D9 FM7 G
Am D9
Is it getting better,
FM7 G
or do you feel the same?
Will it make it easier on you,
now you got someone to blame?
C Am
You say one love, one life,
FM7 C
when it’s one need in the night
One love, we get to share it
Leaves you baby (if you) don’t care for it
機嫌は直った?
それとも相変わらず?
誰かのせいに出来れば
それで気は楽になる?
夜、互いに求めるものが一つなら愛のあり方も
一つで生き方も一つだなんて君は言う
一つの愛、それを僕らは分かち合えるのに
大事にしなければその愛に置いてかれるよ

Did I disappoint you
or leave a bad taste in your mouth?
You act like you never had love
and you want me to go without
Well, it’s too late tonight
to drag the past out into the light
We’re one, but we’re not the same
We get to carry each other, carry each other
… one
がっかりさせちゃった?
後味悪い?
愛なんて感じなかったって素振りだね
僕にもそんなもの必要ないって言うんでしょ
もう今夜は遅いから、過去を引きずり出して
白日の下にさらすのはやめにしよう
僕らは一つ、でも全く同じってわけじゃない
これから支え合っていくんだ
一つになる為に

Have you come here for forgiveness
Have you come to raise the dead
Have you come here to play Jesus
to the lepers in your head
Did I ask too much, more than a lot?
You gave me nothing, now it’s all I got
(We’re) one, but we’re not the same
Well, we hurt each other, then we do it again
君は許しを請いにここに来たの?
それとも死者を蘇らせる為か
頭の中の難病患者に対して
キリストを気取る為か
質問が多過ぎたかな、ちょっと
君からの答えは無かった、じゃこれが僕の答え
僕らは一つ、でも全く同じなんかじゃない
互いを傷付けもする、そしたらやり直すのさ

C Am
You say love is a temple, love a higher law
C Am
Love is a temple, love the higher law
C G
You ask me to enter, but then you make me crawl
FM7
And I can’t be holding on to what you got
C
when all you got is hurt
愛とは寺院、愛とは道徳、と君は言う
愛とは神聖な場所で高位の規則だと
僕を受け入れておいて、すぐに追い出す
だから君の考えにすがり付いてはいられない
傷付くだけだって思うから

One love, one blood, one life,
you got to do what you should
One life with each other: sisters, brothers
One life, but we’re not the same
We get to carry each other, carry each other
One, one.
一つの愛、一つの血、一つの生き方
やるべき事をやっておくれ
一つの生き方を分かち合う、姉妹、兄弟
一つの生き方、でも僕らは全く同じではない
これから支え合っていくんだ
一つになる為に、一つに

ベルリンのハンザスタジオでのレコーディングがうまく行かぬ中、ジャムから生まれた曲にボノが詞を付けて出来上がった歌。
当時のメンバーのビミョーな人間関係や当地ドイツの再統一などがその詞のモチーフとなっている。
彼はヒッピーの oneness(統合)という考え方には懐疑的だったらしく、だからこそ敢えて表題を One にして、多様な価値観を認め合うべくもう一歩踏み込んだ詞を書いたのだろう。
曰く、一つ(one)だけど、同じではない(not the same)。

分かち合い(share)や、支え合い(carry each other)といった、一つになる為のコツとも言うべき言葉が登場するが、それらの前に付く言葉が重要な意味を持つとギターの The Edge は言う。
つまり、got to(しなければならない)ではなく、get to(出来る、或は、するようになる)。
このポジティブな言い回しは本作の主眼を象徴するものかも知れない。

そして、分かち合いをないがしろにすると、leaves you baby (愛が)君を置き去りにする。
分かち合う過程には妥協や譲歩が不可欠だと言のだろう。

では他の言い回しも見てみる。
go without = なしで済ます
前置詞の目的語が見当たらない。なぜならこの without は前置詞ではなく副詞だから。
ってのは文法的に落ち着かせる為の言わば後付けの解釈で、実質はエア目的語がある(こんな文法用語自体は無い)。
で、ここでは love がそれ。

carry は先述の通りここでは、支える、という意味。

第3バースはキリストの施しに倣った表現。
forgiveness = 容赦
raise the dead = 死者を蘇らせる

play Jesus = イエスを演じる
これが you への皮肉だとするなら、ボノはキリスト教を冷めた目で見ているのか。

leper = らい病患者、のけ者
キリストは難治のらい病をも癒したそうな。

higher law = 上位の法→道徳律

本作には固定的な考えを持つ you が反面教師の様に描かれ、それにより多様への寛容が説かれている。更には、one だ unite だと叫ぶだけではダメだ、という現実的な視点も窺える。
we hurt each other, then we do it again.
言うは易く行うは難いという事もきっちり例示している。
そして、起伏のあまり無い、言わば漫然たるコード進行が却ってこの詞の真摯さを強めて伝え、結果的に本作の説得力を増している(様な気がする)。
you と真正面に向き合い、即ちそれは聴き手と真正面に向き合う事になり、一度や二度で伝わらずともいつかは分かってもらおうという作者の本気の姿勢が窺える(様な気がする)。

One (Songs Of Surrender)

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