1993年発表の第4作アルバム Hat Full of Stars 所収。
Sally’s Pigeons
(Cyndi Lauper, Mary Chapin Carpenter)
When I was eight I had a friend
With a pirate smile
Make believe and play pretend
We were innocent and wild
Hopped a fence and slammed the gate
Running down my alleyway
In time to watch Sally’s pigeons fly
不敵に笑う友達がいて
一緒にごっこ遊びをしたりして
無邪気にはしゃいでいた
柵を飛び越え門をバタンと閉め
家の横道を走り抜けて
サリーの鳩が飛ぶ時間には見に行っていた
We loved to watch them dive and soar
Circle in the sky
Free as a bird from three to four
And never knowing why
Neighbors pulled their wash back in
Put away my Barbie and Ken
Look out overhead while Sally’s pigeons fly
空で輪を描く様を見るのが好きだった
鳥の様に自由だった3時から4時
理由など分からない
近所の人が洗濯物を取り込む
私はバービーとケンの人形を片付け
頭上にサリーの鳩が飛ぶのを見上げていた
I had a fool’s confidence
That the world had no boundaries
But instinct and common sense
They come in different quantities
世界には境界がないという確信があった
だけど本能と常識の
その大きさは違った
My heart began to skip to the beat
Of the boy next door
She had her eye across the street
On someone shy and tall
We lived our dreams and challenged fate
In tears, she told me she was late
And Sally let his pigeons out to fly
ときめき始め
彼女は通りの向こうの
内気で背の高い人に目を付けた
私達は夢に生き運命に挑んだ
涙を流しながらもう遅かったと私に告げ
サリーは彼の鳩を飛ばした
On the dresser sits a frame
With a photograph
Two little girls in ponytails
Some twenty-one years back
She left one night with just a nod
Was lost from some back alley job
I close my eyes and Sally’s pigeons fly
写真が飾ってある
ポニーテールの二人の少女
21年も前の事
ある夜彼女はただうなずいて世を去った
闇手術を受けて死んでしまった
目を閉じるとサリーの鳩が飛んで行く
She never saw those birds again
And me, I can’t remember when
A pirate smile hasn’t made me cry
I close my eyes and Sally’s pigeons fly
私はと言うと、いつかは思い出せないけど
不敵な笑みで泣く事はなくなった
目を閉じるとサリーの鳩が飛んで行く
シンディローパーの幼馴染が十代で中絶の闇手術を受けた末に命を落とした事が本作の元になっている。
また大ファンだったエルトンジョンの Tiny Dancer を参照しているとの由。
pirate smile なる語をここから拝借したのだろう。
Some twenty-one years back
↓
Some fifty-one years back
The Supreme Court’s radical decision today makes the re-recording and re-release of ‘Sally’s Pigeons’ more relevant than ever. In my childhood, women didn't have reproductive freedom and 50 years later we find ourselves in a time warp where one’s freedom pic.twitter.com/h71F3k9a3X
— Cyndi Lauper (@cyndilauper) June 25, 2022
But freedom then for women and unfortunately now comes at a big price. If we don’t have control over our own bodies then we have no real freedom. We are second class citizens. We need to mobilize. We need to let our voices be heard. @AbortionFunds https://t.co/zt2mWYj4b7
— Cyndi Lauper (@cyndilauper) June 25, 2022
「今日の最高裁の極端な判決により Sally’s Pigeons の再録音と再発表がこれまで以上に意味を持つようになりました。私が子供の頃、女性には生殖に関する自由がなく、そして50年後、私達はタイムワープして自身の体をコントロールする自由を剥奪された世界にいる事になりました。1991年にメアリチェイピンカーペンターとこの歌を作った時、私達は頭上を飛ぶ鳩の様に羽を伸ばす事を夢見る二人の少女について書きました。少女達は自由になる事を夢見ていました。しかし当時の女性にとって、そして残念ながら今も、自由には大きな犠牲が付き物です。もし私達が自身の体をコントロールできないなら、本当の自由はありません。私達は二級市民なのです。結集して、声を届けなければなりません」
日本でもこの連邦最高裁判決は宗教と絡められたり司法の政治化だのと否定的な論調が多いが、そもそもの Roe v. Wade こそが司法を政治化して生まれたもので、それが元通りに覆されて決定権が連邦から州に移っただけ。全ての中絶が規制されたわけでも女性の自由が奪われたわけでもなんでもない。そういう制度の国なんでしょうよ、アメリカって。
事実をしっかり観察して冷静に伝えようとしない[出来ない]歌手やら有名人が多いのは実に残念。この件に限らず、極端な二元論で勇ましい事だけを言う者こそが分断を助長しているという現実を直視すべき。制度に関する議論であれば尚更。
振り返って、作品に親しみ勝手に憧れ勝手に裏切られた気になる自身の愚かさを事ある毎に痛感… 例えば She Bop みたいな歌がよく練られた面白い名曲である事に変わりはないが。
Johnny Rotten of The Sex Pistols pic.twitter.com/u8v8KFUn7N
— Elon Musk (@elonmusk) June 4, 2022
かつてはアナーキズムを標榜していたけど今はしっかり現実を冷静に見つめる様になったこのパンクの親玉を少しは見習ってくれよ。
Pro-lifers march around #SCOTUS chanting victory chants pic.twitter.com/9YoQx91fs3
— Matthew Miller (@mattmiller757) June 24, 2022
ツイートの中で言う様に「本当の自由」が無くなって女性が「二級市民」に落ちぶれたのならば、この歓喜する女性達は幻?
ローパーは今般の判決を radical(過激、極端な)だと評しているが、妊娠後期にも拘らず自身のお腹の子を「まだ人に非ず」と言って憚らぬ下の様な母親こそが過激でしょうに。それともこんな女性こそが「本当の自由」を追求する立派な女権拡張論者だと言うのか。
It is deeply tied into the second wave feminist argument that gender and sex are unconnected, and that biological function is actually an imposition that prevents female equality. That argument is wrong, disturbing, and damaging.
— Ben Shapiro (@benshapiro) June 27, 2022
アメリカで起きたことについて何か発信するのになかなか気持ちが落ち着かず、時間がかかりました。
子宮を持つ人にとって中絶は権利ではないという、耳を疑う結論が出ました。
この決定は中絶を無くすものではなく、安全な中絶にたどり着けなくするものです。続— SHELLY (@shellysproject) June 26, 2022
「子宮を持つ」”進歩的な”一級市民の言葉遊びで本当の自由への道筋が付くならこんな簡単な事はない。
Why are people in Los Angeles picking fights with police and trying to grab their weapons? Abortion is legal in California. pic.twitter.com/fGLU4N6LE1
— Ian Miles Cheong (@stillgray) June 27, 2022
CA州では中絶は合法なのにLAにて警察に盾突く人達… もうギャーギャー言って暴れたいだけだろ?
それと最高裁の判事がスティーブン・ブライヤー判事が引退することになったんだから、バイデン政権と多数議席を占める民主党で超リベラルな判事を選べばいいでしょ。プロライフの活動家は50年間地道に運動を続けてた。暴動なんか一度も起こしてないよ。
— 苺畑カカシ (@ichigobatakekak) July 1, 2022
これこそが当たり前の意見でしょ。民主制度をうまく利用すりゃあいいだけ。ギャーギャー言ってる人達は独裁政権下に生きてんのけ?金持ちファシストに金もらってんのけ?
.@AOC says she is getting her nails done as an act of “resistance” post-Dobbs. pic.twitter.com/jqFA1PyhJk
— John Gage (@johnrobertgage) July 2, 2022
おやおや優雅な活動家だね(政治家だけど)。
そしてまた子供が「母親」として逮捕される。
ロクな性教育も受けられず、産むまで誰にも相談できず、怖い思いをしていただろうに。
赤ちゃんの「父親」は調べるのでしょうか?https://t.co/D36y9DaE8t
— SHELLY (@shellysproject) July 2, 2022
亡くなった胎児どころか乳児にすら思いを馳せる事をしないこんな奴ばっかになったら人類はどうなるよ。
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