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歌詞和訳 Nirvana – Lounge Act コード

1990s

1991年発表の第2作アルバム Nevermind 所収。

Lounge Act

(Kurt Cobain)

(verse 1)
Bm G C
Truth covered in security
I can’t let you smother me
I’d like to but it couldn’t work
Trading off, taking turns
I don’t regret a thing
なかなかあばけぬ真実
君に抑え込まれたままじゃいられない
いいんだけどそれじゃ埒が明かない
取っ替えや代わり番こなんて事じゃ
俺は後悔なんてしない


(chorus)
Em A
And I’ve got this friend, you see
D G
Who makes me feel
And I wanted more
Than I could steal
I’ll arrest myself
And wear a shield
I’ll go out of my way
To prove I
A G# G A G# G
Still smell her on you
で、俺には生きた心地にしてくれる
友達がいて
奪い取る以上に
求めてしまったんだ
これからは自制して
耐えるつもり
そんでいちいち
あばいてやるさ
彼女の香りがまだ君に付いてるって事を


Don’t tell me what I wanna hear
Afraid of never knowing fear
Experience anything you need
I’ll keep fighting jealousy
Till it’s fucking gone
懐柔しようとしても無駄だよ
恐いもの知らずなのが自分でも恐いくらい
必要なら何でもやってみるがいいさ
俺は嫉妬と戦ってるよ
そんな気持ちが消え去るまで


→(chorus)
→(verse 1)


And I’ve got this friend, you see
Who makes me feel
And I wanted more
Than I could steal
I’ll arrest myself
And wear a shield
I’ll go out of my way
To make you a deal
We’ll make a pact
To learn from who
Ever we want
Without new rules
We’ll share what’s lost
And what we grew
They’ll go out of their way
To prove they still
Smell her on you
They still smell her on you
Smell her on you A
俺には生きた心地にしてくれる
友達がいて
奪い取る以上に
求めてしまったんだ
これからは自制して
耐えて
わざわざ
取引してやる
誰でも好きな奴から
教えてもらうっていう
約束にしよう
新しい決まりは無用
失ったものも育んだものも
共有する事になる
でもみんなだってわざわざ
証明してくれるだろうよ
彼女の香りが今でも
君に付いてるって事を


作者コベインの当時の恋人 Tobi Vail に纏わる歌(と言われる)。

Truth covered in security 安全に覆われた真実
これを次の様にも取れるとした言葉遊びだと見なす向きもある。
Truth covered insecurity 真実が不安を隠した

jealousy = 嫉妬
ジェラシーはもはや日本語だろうか。
内心をあっさり吐露するこんな言わば説明的な言葉をコベインが使うのはかなり稀だろう。
smell her on you = 君に彼女のにおいを感じる
これら二つの語句から、三角関係(love triangle)が浮かび上がる。
I をコベインとすれば her はベイルで、you は恋敵たるもう一人の男か。

this friend は恐らくベイルを指す。

pact = 協定、条約、契約、約束
流布する歌詞には We’ve made a pact とあるが、We’ll make a pact と聞こえる。

最後のサビの取引やら約束の件は、ベイルをめぐる男二人の応酬。
we はこの男二人ともとれるし、ベイルを含めた3人とも取れる。

Smells Like Teen Spirit と恐らく同時期に書かれた歌だが、五感の中で最も原始的と言われる嗅覚(smell)に作者は何か執着があったのかも知れない。

ベースライン自体はカッコいいが、ドンくさい…
メリハリのあるドラムとギターのインテンポな疾走の足をちょっと引っ張って陰を纏わせる効果はあるのかも。そしてそれをこそグランジと呼ぶのか。
このラインがホテルのラウンジで演奏される様なスウィングやジャズのベースを想起させる事から表題に取られたらしい(が、私はピンと来ない)。


追記 2017-6-27

20数年振りに Nirvana の伝記(コベイン死後の再発版)を引っ張り出して読み返している。内容の多くを失念している事に愕然… って程でもない。自分の脳ミソをそんなに買い被っちゃいない。

The title of “Lounge Act” came from the fact that “We just thought that song sounded like such a lounge song,” says Kurt, “like some bar band would play.” But the lyrics are nothing of the kind. “That song is mostly about… having a certain vision and being smothered by a relationship and not being able to finish what you wanted to do artistically because the other person gets in your way.” Kurt says.
The line that goes “I’ve got this friend you see who makes me feel…” refers to some of Kurt’s Olympia friends and the Riot Grrl movement who inspired Kurt to surrender his misanthropy and break out of what he calls the “nihilistic monk world” that he had made for himself in his little shoe box of an apartment.
CoMe aS YoU ARe: THe StoRY oF NiRVaNA, p. 219-220

詞とは無関係の表題の件はいいとして、その中身… 随分と一般化した物言いに終始する作者コベイン。
続く詞中の friend についての記述はコベイン本人の発言ではないが、Tobi Vail の名はおろか The Go Team や Bikini Kill といったバンド名すら出て来ない。Riot Grrl を持ち出しているだけ…
特定の人物や状況についての歌だとする解釈は憶測に過ぎない?


追記 2017-12-26

演奏後 2:32
Tobi Tobi Tobi, tummy tummy tummy
Tobi Tobi Tobi, tummy tummy tummy
トウビトウビトウビ、タミタミタミ(おなか)

多分これが元ネタ Yummy Yummy Yummy
https://youtu.be/-4aQiFaCod8

コメント

  1. ゆーと より:

    こんにちは。
    カートはライブでラウンジアクトを歌った後
    「トビ、トビ、トビ」っておちゃらけて言ってるんですよね。
    真実はわかりませんがやはりトビについてのうたでは?

    • deni より:

      ゆーとさん こんにちは ようこそ
      Rio のヤツですね。動画貼っときます。
      僕にはこんな風に聞こえます。
      「(みんな何かこんな憶測してんだろ?)トウビトウビトウビ、タミタミタミ(笑)」
      jealousy が本作の核なのは間違いなさそうな気もしますが、第三者(男?)の登場も含め、何だかよく分からないというのが結論です。対訳や解説じみたものを書いといて言うのもナンですが…