未発表曲。
1968年発表の第6作アルバム The Kinks Are the Village Green Preservation Society の50周年再発版に収録(予定)。
Time Song
(Ray Davies)
Time lives our lives with us
Walks side by side with us
Time is so far from us
But time is among us
並んで歩む
時は遥か彼方にあり
しかし我々の内にある
Time is ahead of us
Above and below us
Is standing beside us
And looking down on us
上にあり下にある
そばにいて
見下ろしもする
When we were young
And our bodies were strong
We thought we’d sail into sunsets
When our time came along
Now that we’re nearing
The end of the line
体もしっかりしていた頃は
夕日にまでも漕ぎ出す気でいた
それは時が共にあった頃の話
しかし晩節に
差し掛かった今や
Time has changed
Time will heal
Time will mend
And conceal
In the end
Everything will be fine
時は癒し
時は直し
隠してくれるだろう
そして最後には
万事良好
And if we concentrate
Time will heal all the hate
All in good time
憎しみは全て時が癒してくれるだろう
しかるべき時に
We go on drifting on
Dreaming dreams
Telling lies
Generally wasting our time
夢を見続け
嘘をつき続ける
だいたい時間を無駄にしながら
Suddenly it’s too late
Time has come and can’t wait
There’s no more time
時は来ても待ってはくれず
もう時間は無い
We go on drifting on
Dreaming dreams
Telling lies
Generally wasting our time
夢を見ては
嘘をつく
大概は時間を無駄にしながら
Suddenly it’s too late
Time has come and can’t wait
There’s no more time
時は来ても待ってはくれず
もはや時間切れ
本作の詞はネット上にまだテキストとして存在しない。そこで一肌脱ぎ(てか仕方なく)ビデオから詞を書き出した。
作曲クレジットに言及するソースもこれまた無いが、恐らくレイデイビズの手によるもの。
時を扱う曲は数あれど、これ程シンプルに言い得たものがあろうか。一方で time 尽くしの修辞に何だか誤魔化されている気がしないでもないが、そんな印象を受けるのも詰まる所、時の流れや時間(の把握)といったものが曖昧であり我々の主観に大きく左右されるからなのだろう。
詞中の drifting on の如くデイビスの歌唱は曲の中に漂う。そしてそのメロディーラインは正に時に身を委ねるが如く流れて詞を我々の耳に運ぶ。事も無げに歌っている様に聞こえるが、実際これは余人には中々マネの出来ぬ業だろう。
未発表だったとは勿体無い、と思う一方で、主題が主題だけに半世紀も眠っていた事自体が大きな意味を持っている様に感じられもする。
冒頭の一節 Time lives our lives with us の擬人化に鑑みれば、時は我々人間と同等同格。だけど待ってくれはしないんだから寧ろあっちが主で我々は従だろうか。
Generally wasting our time のラインには顔面を弛緩させられる。少しばつが悪い。
ビデオも、far from us にして among us という、時と我々との微妙な距離感を表し得ている(気がする)。
It’s about time, Kinks!
再結成を心待ちにしているファンならこのダジャレ(ダブルミーニング)、分かって頂けるかと…
ついでに Tired of Waiting for You てなわけで…
ご参考までに以下は、時について考える、また考えさせる、面白い曲。
Time may change me but I can’t trace time
ボウイの見方も時間が主で我々は従。
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